開発環境を構築するのはかなり大変ですよね。プログラミングをサクっと始めたいのに、この環境構築が嫌で手が付いてないなんて事はありませんか?アイデアだけたまって全然コーディングしてない。。。みたいな。
こんな時に活躍するのがクラウドIDEです。
クラウドIDEを使えば、開発環境は整っているのですぐにコードが実行できてしまいます。しかも、クラウドなので別々のPCからも接続できてしまいます。ほんとに便利。
ただ、クラウドIDEも色々なサービスが増えてきているので、何を使って良いのか分かりにくいな。なんて思う事もしばしば。王道なのはやはりcloud9辺りでしょうか?しかし、個人的にオススメできるサービス(特に初心者の方に)は別にあります。それが「PaizaCloud」です。
これがなかなか便利なのです。
コンテンツ
PaizaCloudとは
PaizaCloudは、paizaが展開するクラウドIDEサービスです。個人的にはpaizaのサービスは非常に好きです。
PaizaCloudの良いポイント
まずはこのPaizaCloudの良いポイントを挙げます。
ボタン一つで簡単に開発構築!
PaizaCloudではボタンをクリックするだけで、開発エディタ、WEBサーバ、データベース等の環境設定がすぐに出来てしまいます。PHP、Rudy、JavaScript、Pythonなどの開発環境がすぐに設定されるので本当に便利ですよ。
LAMPとかローカルだと環境構築大変ですからね。。。Pythonもanacondaのインストールは結構かかります。環境構築には当然工数もかかりますから、法人としても使いやすいのではないでしょうか。
場所、端末が変わっても使用可能!
例えば会社で実施していたコーディング作業を、自宅でも続けて行いたい。なんて事ありませんか?
※会社によってはコンプライアンスで、自宅での作業、コードの実施は禁止されているのでご注意を。
PaizaCloudはブラウザ上からログインできる開発ツールなので、自宅のPC、会社のPCの両方からログインが可能です。ローカル端末に環境構築していると、こうはいきません。
さらに端末のOSを気にしなくても良い点も素晴らしいです。同じWindowsでもバージョンが違うと、異なる挙動をしてしまう事もありましたが、クラウドであれこんな事はありません。
paizaとは?
ここでpaizaの紹介もしておきます。paizaはエンジニア向けの転職・学習支援をする会社です。IT業界へ転職したい方向けのWEB学習サービスなどが有名で、エンジニアの事を良く理解している会社と個人的には思います。
paizaでは転職・学習に関連した(関連しないものも?)様々なサービスを展開しています。既にクラウド上のコード実行サービスを展開しているので、paizaでクラウドIDEは出さないのかな?と思っていたくらいです。
ここでPaizaCloud以外のpaizaのサービスもご紹介しておきます。
paiza転職
IT系のエンジニア、プログラマー向けの転職支援サービスになります。
paizaが提供するスキルテストを実施する事により、そのスキルにマッチする企業などを紹介してくれるといったサービスもあります。WEB上で本当にコーディング等を行うスキルテストを行う際のノウハウが、以下で紹介する「paiza io」、「paizaラーニング」、「PaizaCloud」にも繋がったのでは?と思います。
paiza io
クラウドでコードの実行ができるサービスです。PHPなどは開発環境を作るのが大変なので、ちょっとしたコードを試しに実行したいという場合に非常に便利なサービスです。
個人的にはpaiza ioは何度も活用していたので、そのpaizaがクラウドIDEをリリースするという話には好意的でした。何も知らない会社がクラウド業界に参入する訳ではなく、しっかりと実績のある会社が満を持して提供するサービスという印象があります。
paizaラーニング
paizaが展開するWEB上での学習サービスです。プログラミング言語の書籍の様な構文を並べたものではなくて、ゲームを作ったり、便利なアプリを作ったりという目標を打ち出しているので、楽しくプログラミング学習する事ができます。
PaizaCloudのサービス内容
PaizaCloudのサービス内容はプラン別に以下の3つに分かれます。
■PaizaCloudのサービス内訳表
プラン名称 | 月額費用 | 利用期間 | 連続起動時間 | 公開可否 | サーバ数 |
無料プラン | 0円 | 24時間 | 4時間 | 不可 | 1台 |
ライトプラン | 980円 | 無制限 | 4時間 | 不可 | 3台 |
ベーシックプラン | 1980円~ | 無制限 | 無制限 | 可能 | 常時起動1台+3台 |
それぞれをもう少し詳しくご紹介しますね。
無料プラン
月額費用は「無料」で「1台」だけ「24時間」の期限付きで使用が可能です。
利用できる時間は24時間というのはどの様な意味でしょうか。24時間経ったらアカウントが削除されるのでしょうか?それともサーバ自体が停止するのでしょうか?
この場合の24時間というのは、サーバが一度リセットされるまでの時間になります。
24時間経ってもアカウント自体は残りますし、一度リセットされても再度環境を作る事はできます。ただ、IDE上に作った環境は全てクリアされるので、お試しで使う位のものだと思います。
ライトプラン
ライトプランは月額費用が発生するため、無料プランの時の様に環境がリセットされる事はありません。安心して思う存分、開発環境として活用する事ができます。
ただ、一つ注意点があり、サービスを公開はできません。つまり、あくまで「開発環境」という事になります。WEBサービスとして一般に公開をしたい場合には、ベーシックプランに格上げするか、他のレンタルサーバにアップロードして公開する事になります。
実際に公開するサーバは別サーバという事もできます。例えば、サーバ耐性が強いと言われるエックスサーバーなどであれば、PHPがインストールされているため、PHPのプログラムなどは問題無く動きます。(HTML、JS、CSSも当然動きますよ。)。なので公開する場合だけはエックスサーバーというのも良い選択だと思います。特に複数のサービスを立ち上げたい場合にオススメです。
■エックスサーバの公式ページ
⇒エックスサーバー
ベーシックプラン
ライトプランの様にサーバが使い放題なのに加えて、一般に公開する事ができるプランになります。
簡単なプログラムであれば、普通のレンタルサーバで稼働させても問題無いのですが、言語や構成によってはPaizaCloud上のWEBサービスをそのままリリースした方が良いかもしれません。環境的にも同環境でテストしたモジュールであれば信頼性が高まります。
本格的に使用したいのであれば、このプランが良いと思います。ちなみに、常時稼働しているサーバを足す事も可能で、その場合は常時稼働サーバ1台につき、さらに+1980円かかります。
一般公開が目的なら「さくらのVPS」も人気
開発用に使用するのであればPaizaは非常に便利ですが、一般公開が目的となると、少し割高になってしまいます。
本格的なシステムを作るのであればAWSやHerokuを使う事も検討した方が良いと思いますが、とりあえず、個人(もしくは小規模)の一般公開用のサーバとして使用するのであれば「さくらのVPS」が割安でオススメです。コスパが良いので人気も高いです。
※価格を比較すると割安である事が分かります
■さくらのVPSの公式ページ
⇒さくらのVPS
後は、上述している通り、開発環境にPaizaCloud、公開環境にエックスサーバという組み合わせが実現できるのであれば、そちらの方が個人的にはオススメです。
PaizaCloudの開始方法
実際に無料プランのPaizaCloudをいじってみましょう。
サーバの作成と設定
まずはサーバを作成してみましょう。これが本当に簡単なのです。
PaizaCloudにログインして「新規サーバ作成」のタブを押します。
画面中央に「新規サーバ作成」のボタンが登場しますので、これを押します。
■新規サーバ作成ボタンが表示された画面
次にサーバの設定を行います。
こちらもインストールしたいフレームワーク、データベースなどを押して、画面右下の「サーバ作成」ボタンを押すだけです。
■サーバ設定画面
サーバ作成が終わると、自分のサーバが作成されます。
「マイサーバ」タブをクリックすると、自分のサーバを表示する事ができます。
■マイサーバ画面
ログインするとすぐにPHPのサンプルコードが目に入ります。実行結果の「Hello PHP」という文字もWEBブラウザに表示されていますね。
■PHPのソースと、実行結果(WEBブラウザ)
ここでPHPのソースを書き換えてみましょう。
「Hello Hello PHP」という文字列を出力するコードに書き換えます。
実行結果も「Hello Hello PHP」となっている事が分かります。
■PHPのソースと、実行結果(WEBブラウザ)
ローカルでLAMPなどの開発環境を作ろうと思ったら、ここまで到達するのにどの位の時間がかかるのでしょうか。。。
この環境構築の作業をすっ飛ばしてすぐにコードを実行できるというのは、非常に素晴らしいサービスだと思います。
他のクラウドIDEとの比較
内容を絞り込んで他のクラウドIDEとサービス的な比較をしてみたいと思います。
ちなみに、PaizaCloudの場合は以下の様な特徴があります。
・日本語対応
・月額課金(定額)
・操作性が良い(ボタン操作のみで環境構築しやすい)
細かい操作性などの話になると結局好みになってくるので、操作性については細かい比較はしません。
AWS Cloud9
クラウドIDEと言えばこちらがスタンダードかもしれませんね。実際にサーバも安定していて、クラウドIDEの存在を大きくした立役者でもあります。
PaizaCloudと比較して異なるのは、
・従課金制(paizaは月定額)
・英語にのみ対応
でしょうか。英語なのはこの業界ではしょうがない事ですが、可能であれば品質の良い国内サービスが望ましい所、また、従課金制は扱い方を間違えて高額請求が来たなんて話もあるので、少し使い方を分かってから使用すべき。ただ、世界的なネームバリューは抜群です。
Codeanywhere
CodeanywhereもクラウドIDEとして人気が高いです。
PaizaCloudと比較して異なるのは、
・英語にのみ対応
※月額課金制なのは同じ
私はほとんど使った事はありませんが、前にいた現場の隣のチームでかなり活用していました。設定が細かくできるので、環境設定にこだわりたい方には良いサービスだと思います。
まとめ
法人として使用する場合にはCloud9が多いイメージがありますが、個人の方や、クラウドIDEに初めて触る方であれば「PaizaCloud」がオススメです。日本語対応していますし、サービスの分かりやすさ、操作性が全然違います。
まさに「かゆい所に手が届くサービス」だと思います。
今後、クラウドで開発可能なサービスには、クラウドIDEが多用されると思います。やはりスピード感が出てきますので。ネット環境さえあれば、どんな場所からでも接続できて、端末も選ばないというのはかなり素敵なサービスですからね。