IT企業へ転職をする場合、もしくはフリーランスとしてクライアントから仕事を受注する場合は、職務経歴書を求められます。

職務経歴書はスキルや業務経験を重要視するIT業界(特にエンジニア)にとっては、履歴書よりも重要なもので、職務経歴書を元にしてスキルや経験をしっかりと見られてしまいます。私もプロジェクトに参画する方の面談をする事が増えてきましたが、やはり職務経歴書で最初は吟味します。職務経歴書の記載内容が適当で不採用にしてしまった事もあります。。。
※特にフリーランスのエンジニアの方にとっては職務経歴書の内容は報酬単価にも影響します

職務経歴書の良い書き方を紹介したいと思いますので、ここでしっかりと押さえておきましょう。

この記事は以下の方を対象にしています

  • 職務経歴書の基本的な書き方が知りたい
  • フリーランスとして報酬単価をUPさせる職務経歴書を書きたい
  • 転職を考えているので職務経歴書を書こうと思っている

職務経歴書の基本的な書き方

最初に職務経歴書の基本的な書き方からご紹介していきます。

各転職サービス毎の職務経歴書

まずは転職サービス等で展開されているテンプレートを見て、職務経歴書のフォーマットがどの様なものなのかを知っておきましょう。書く事に慣れれば自分なりのフォーマットを作成しても良いのですが、何も分からない場合は基本的なフォーマットをまずは見てみるのがオススメです。

職務経歴書のフォーマットは転職サイト等で良いものが紹介されていますが、基本的にはIT系に特化した転職サービスのフォーマットを使用するのが良いです。IT系の採用担当者の視点をふまえた内容になっている事が多いので。

今回はその中でも、特に内容がまとまっているなと感じる転職サービスの職務経歴書フォーマットを紹介します。

doda ITエンジニアで紹介されている職務経歴書

doda ITエンジニア向けサービスのサイトには、エンジニア向けの職務経歴書の記載例が載っています。シンプルな内容になりますが、業務例歴書の他にスキルの一覧についても基本的な書き方が示されているので職務経歴書のイメージを掴むために参考になります。サンプルのフォーマットもダウンロードする事ができます。職務経歴書ってどんなもの?まずはイメージを掴みたい!という方はぜひ見てほしいです。

https://doda.jp/guide/syokureki/resume/it01.html

※dodaの例では職務経歴の他にスキルや志望動機も記載されていますが、これらは別の資料として作成するケースもあります。ここでは職務経歴の記載について把握しておきましょう。

また、dodaでは自己PRや志望動機の書き方についてまとめられた記事もあるので、そちらも参考になります。

https://doda.jp/guide/rireki/jikopr/

マイナビ転職で紹介されている職務経歴書

dodaと同じような内容ですが、職務経歴を記載する上で特に重要なポイントなども紹介されています。マイナビにもエンジニア向けの特化サービスがあるので、こちらも参考になります。

https://tenshoku.mynavi.jp/it-engineer/knowhow/resume/index

※dodaとは少しフォーマットが違いましたよね?自分の経歴を表現しやすいものを活用してOKです。

レバテックで紹介されている職務経歴書(詳しい書き方が記載されている)

上述した通り、職務経歴書にはいくつかの種類のフォーマットがあります。それぞれのフォーマットの違いと、初心者にオススメのフォーマットについて紹介をしていますので読んでおくと良いです。

特に、内容が体系化されているので、見る人にとっても非常に分かりやすい内容にまとめられています。

エンジニアにとって職務経歴書がいかに大事なものなのか?とか、職務経歴書についての良い例・悪い例が具体的に紹介されていますので、内容をしっかりと押さえておきましょう。
※特に職務経歴書は「逆編年体形式」で記載した方がベターと語られていますが、この点は他の転職サービスでは詳しく語られていない点です。

具体的かつ分かりやすい職務経歴書というのがよく分かります。

https://career.levtech.jp/guide/knowhow/article/259/

IT特化型転職サービス以外のフォーマット

IT特化型ではないものの、エンジニア・IT系の業界向けの職務経歴書を紹介しているサービスもあるので、そちらも紹介しておきます。こちらは余裕があれば参考にしてもらえたらと思います。

パソナキャリア

内容的にはdoda ITの職務経歴書に似ていますが、一部記載方法や内容が異なる箇所もあるので、参考にしてみて下さい。

https://www.pasonacareer.jp/knowhow/resume/26/

具体的な職務経歴書の記載例

基本的な書き方やフォーマットを押さえた上で、より具体的に職務経歴書を記載する方法や、記載上の注意点を知っておきましょう。

ここでも転職サービス等で紹介されている内容を基にして紹介していきます。

paizaで紹介されている職務経歴書

paiza開発日誌で良い職務経歴書の「具体例」が紹介されています。

こちらでも受かる例・落ちる例が紹介されています。レバッテクの内容と併せて確認しておきましょう。頭の中に入れておくと、実際に職務経歴書を書く際にすばらしいヒントになります。

それに、自分をアピールする際の記述プロセスなどが紹介されていて、非常に分かりやすいです。

paiza開発日誌で紹介されている職務経歴書の書き方

ドワンゴの方が紹介してくれた職務経歴書の書き方

非常にシンプルな内容ですが、タメになる内容なのでこちらも紹介しておきます。

https://dwango.github.io/articles/engineers-resume/

他で紹介されている書き方例ではあまり語られていませんが、言語、DB等についてはバージョンまでしっかりと書く事が推奨されています。確かに、使用しているバージョンまで記載していると、面接する側としては、使用言語やDBについてよく分かっていると評価をしやすいです。

職務経歴書を記載した後、最後に細かい部分をチェックする際に参考にすると良いと思います。

Qiitaの人気記事になった職務経歴書

Qiitaで人気記事になっている職務経歴書も紹介します。

https://qiita.com/newta/items/77eb14b1d67bc7ef1980

実際にIT業界で採用を担当されている方が書いているので、内容にも説得力があります。一旦職務経歴書を記載した後に、内容をブラッシュアップする際に見てみるのがオススメです。

職務経歴書は結局どのフォーマットが良いの?

いくつかのフォーマットや記載方法を紹介しましたが、結局どれが良いのでしょうか?

転職をする場合は転職サイトや転職エージェント、フリーランスの方であればフリーランス向けのエージェントを活用するケースが大半だと思いますが、基本的には使用するサービスのフォーマットを使用するのが無難です。

特にエージェントサービスの場合は担当者が職務経歴書を添削してくれるサービスもあります。その際に決まったフォーマットの落とし込んでおくと、担当者も添削がし易くなります。

ただ、「どうしてもこのフォーマットがいい!」というこだわりがあるのであれば、どのサービスを使う場合でも「このフォーマットにさせて下さい。」と打診してみましょう。

ちなみに、個人的にはdoda ITエンジニアレバテックのフォーマットが分かりやすいかなと思います。

いずれにしても、どのフォーマットでも記載する内容はほとんどが同じ(まとめ方や表現は変えないといけない)なので、もし、フォーマットを変える場合でも、ほぼ同じ内容を転記すればOKです。

「職務経歴書」で報酬単価は決まる!

長年フリーランスでエンジニアをされている方であればご存じかもしれませんが、職務経歴書は報酬単価に直結します!単に面談で受かるために必要な書類ではないのです。

報酬単価UPを狙うための職務経歴書の書き方の詳細については別途記事を書きますが、ここで少しさわりの部分だけ紹介しておきます。
※特にフリーランスになりたての方には参考にしてもらえるかも。

職務経歴書に記載するポイント

ここで話し出すとキリがないのですが、以下のポイントを押さえながら職務経歴書を記載する様にすると、面談でアピールしやすくなったり、単価UPが狙いやすくなります。

  • 目的(未来)
  • 今自分のいるポイントをどう捉えているのか(現在)
  • どんな価値を与えてくれるのか(企業側のメリット)

それぞれについて少し詳しく紹介していきます。

目的(未来)

自分が目指しているものが何なのか?これを明確にする事が大切です。

目的を知って何になるの?と思うかもしれませんが、自分の目的を伝える事でこれからどの様なことにチャレンジしようとしているのかがよく伝わります。※当然、どの様に目的へと向かおうと思っているか?というプロセスを正しく記述する必要はあります。

いわゆる「具体的な将来設計できているかどうか」が非常に重要視されるのです。ITのジャンルは進化のスピードも速いで、新たなスキルや考え方・価値観を身につける意思があるか?も判断される事が多いです。

また、今後チャレンジしたい事が、転職先企業やクライアントの事業の方向性とマッチしているかどうかを判断される事になります。しっかりとマッチしている事をアピールする様にしましょう。

今自分のいるポイントをどう捉えているのか(現在)

長いエンジニア人生の中で今自分がいるポイントをどう捉えているのか?も判断のポイントになります。どんな業種でも自己分析がしっかりとできている人は高く評価されます。場合によっては今の自分に足りないものを正しく把握できていて、それを職務経歴書の中でも表現できる様になると非常に冷静な視点を持った人として評価されます(最近のリーダータイプには結構こういう人が多いです。)

また、転職活動で職務経歴書を作成する場合、なぜ転職したいと考えているのか?を明確に回答できる事も大切です。

「転職理由を明確に回答できる=今自分のいるポイントをしっかりと捉えている」とも言えます。

どんな価値を与えてくれるのか(企業のメリット)

企業はエンジニアの成長の場として仕事の場を提供する訳ではありません。

事業拡大、収益増大・安定化はもちろん、企業価値を高めるために必要な人物を求めています。そのために、あなたに何ができるのか?を明確に伝える事が必須になります。あなた自身の強みを明確にして、仕事の中でどの様に活かせるのかをしっかりと表現しましょう。

また、エンジニアとしての仕事だけではなくて、新しい考え方や、特殊なスキルを求めているクライアント・企業も数多くあります。スキルだけはたくさん持っているというエンジニアは結構たくさんいるものです。

その中で独創性をもった人間・エンジニア以外のスキルを持った人間は高く評価される傾向にあります。当然ですが、職務経歴書の中でそれらを付加価値として上手にアピールできる様にならなければなりません。

全ては経験から作られる

職務経歴書に記載すべきポイントは抽象的なものもありますが、どれも非常に重要なポイントです。そして、これらは書類上で何とかごまかしの効くものではありません。自分自身の経験からくるものです。

何も経験をしていないのに、書類だけ立派なものを作ろうと思っても、プロが見ればすぐに見破られてしまいます。それに職務経歴書とともに当然面談も行いますから、実際に話した時の受け答えも含めて職務経歴書との整合性を見られてしまいます。面談では職務経歴書を元にして様々な質問をされますから、職務経歴書だけで「良い恰好」をしても何の意味もありません。

良い職務経歴書を作りたければ「エンジニアとして良い仕事・経験をする!」これに限ります!自分の経験に誇りを持てるくらいに仕事をがんばれば、職務経歴書に記載する内容はだんだんと見えてくるものです。

と言ってしまうと、この記事の前半の意味が薄らいでしまう様に感じるかもしれませんがそうではありません。職務経歴書というのは自分の(事実の)アピールポイントを100%伝えきる事なんです。

まとめ

今回は職務経歴書の書き方についてご紹介しました。

改めてまとめると職務経歴書には以下の様な役割があります。

職務経歴書の役割

  • 自分の職歴・スキルなどを具体的に相手に伝えるもの
  • 転職や案件受注を行う際に「あなた」について最初に見られるもの
  • 転職面談で採用するか、案件依頼をするかを決定する上で非常に重要なもの
  • 年収や、案件単価を決める上で非常に重要なもの
  • あなたの「これまで」と「これから」のエンジニア人生を表現するもの

エンジニアとして自分の希望通りの生き方をできるかどうかは「職務経歴書」が握っている!といっても過言ではないです。

様々な経験を積んで、様々なアピールポイントを身につけましょう。

そして、アピールポイントを的確に表現して、素晴らしい「職務経歴書」を完成させられる様にしましょう!