プロジェクトマネージャー試験と言えば、企業がエンジニアに取得してほしい資格ランキングで上位に入る人気資格です。

実際に受験して合格された方、これから受験しようとされている方であれば、プロジェクトマネージャー試験の中でも午後Ⅰは鬼門と呼ばれる試験である事が分かると思います。

プロジェクトマネージャーとして現場で何年も仕事をしているのに、実際に試験の問題を解いてみると、全然分からない!なんて声もよく聞きます。実務スキルとはまた別の「試験対策」が必要となってくるのです。

今回は午後Ⅰ対策について詳しく述べていきたいと思います。

■この記事は以下の様な方に向けて書いています

  • プロジェクトマネージャー試験を受験予定
  • 午後Ⅰの具体的な対策が知りたい
  • プロジェクトマネージャー試験の中で現場でも活用できるノウハウを知りたい

午後Ⅰ問題の対策で大事な考え方

午後Ⅰの対策を行う上での「大事な考え方」がありますので、まずはそこから紹介します。

プロジェクトマネージャー試験で問われる所

最初にプロジェクトマネージャー試験対策本として非常に有名な参考書を紹介しておきます。午後Ⅰ対策を行う上で非常に重要な知見を与えてくれる本です。三好 康之さんが執筆するこの本は通称「みよちゃん本」と呼ばれて受験者から親しまれています。

その本の内容は非常に実践的。プロマネ試験を受験するなら、この本の読み込みは必須と言われている程です。

私も当然この本を持っていますが、本当に実践的で試験に役に立つ具体的な方法論が詳しく紹介されています。しかも、実際の現場でどの様に知識を活かせば良いのかにも言及されているので、単なる資格保持者で終わらないための心得がよく分かるのです。

午後Ⅰ問題の対策は午後Ⅱの対策にもなる?

みよちゃん本でも語られている通り、午後Ⅰの内容は午後Ⅱのネタとしても活用ができます。これを踏まえて午後Ⅰでどの様な部分が問われるのかをしっかりと把握しておくべきです。
※この考え方が本当に合理的。三好さんのプロマネ勉強のプロセスは本当にすごいと思う。

ちなみに、みよちゃん本では最初の午後Ⅱの設問でどの様な事が問われるか?を学んだ後で、午後Ⅰの演習を行うという流れになっています。基本的にはこの流れで学習する事をオススメします。

例えば、リスク関連の問題であれば、午後Ⅰに登場するPMが以下の様な事への対応を行っていたりします。

  • どの様な事象をリスクの兆候と判断したのか
  • リスク分析としてどの様な事を行ったか
  • どの様な対応計画を策定したか

これらの具体的な対応内容は、みよちゃん本でも紹介されている通り、午後Ⅰの対策(問題の読解・設問の解答)にもなるし、午後Ⅱの対策(論述)にもなると考える事ができます。

午後Ⅰは文章の表現が重要

こちらもみよちゃん本で語られている通り、午後Ⅰは文章の表現が非常に重要になります。仮に問題の答えを知っていたとしても、

  • 限られた文字数(20文字以内で記載しなさい。など)
  • 読み手が明確にイメージできる表現をする
  • 漏れやダブりの無い表現をする

等の制約があると、的確な解答をする事が一気に難しくなります。単に情報を集めるだけではなくて、どの様な文章表現をすれば相手に伝わるのかを考えながら問題を解いて対策しましょう。

午後Ⅰの具体的な対策

では実際に午後Ⅰの具体的な対策について述べていきます。

午後Ⅰでは、様々な設問による問いがありますが、解答方法は大きく以下の2つに分類されます。
※この考え方も「みよちゃん本」等の参考書で語られている内容です

  • 知識解答型⇒問題の中に解答が記述されておらず、一般論(知識)を元にして解答する
  • 問題読解型⇒問題の中に記述された内容から解答内容を組み立てる

どちらの問いなのかは当然設問には記載されていませんが、まずは問題読解型だと考えながら問題文と設問を繰り返し読み進める解きかたが王道だと思います。知識解答型であるかどうかは、「問題文の中に解答が無い」と判断して初めて解答できるからです。

知識解答型、問題読解型それぞれでよく問われるポイントというものをまとめておきたいと思います。この内容は特に試験間近の実践的な知識を確認する際には効果的かなと個人的には考えています。

知識解答型

知識解答型は文字通り知識が問われますので、参考書等でマネジメントの考え方・知識・ツール等を学びながら、(結局は)午後Ⅰの演習も繰り返して、必要とされる知識を蓄積していくしかありません。

解答内容が違っていても根本にある知識は同じ様なものも結構あります。なので、根本的な考え方は一体どんなものなのかを考えながら一つ一つ知識を蓄積していきましょう。ちなみに過去問の午後Ⅰ問題は当然ですが、午後Ⅱ問題、午前Ⅱ問題なども知識の糧になりますので、(特に時間がある内は)まんべんなく知識を収集する様にしましょう。

プロジェクトマネージャー試験がよくできているなと思うのは、これらの知識が、実際の現場でも活用できるという事です。この試験が実務に活用し易い試験と言われ、人気資格と言われるのも頷けます。

知識解答型の具体例

では具体例を挙げていきます。これから試験に臨む場合等は特に参考にしてもらえるはずです。

開発途中に仕様の追加を行う場合に実施しなければならない作業とは?

解答例:仕様の追加・開発の追加により影響を受けない部分を洗い出しを行う

理由:追加する仕様をまとめている間に現在行っている作業をストップしなければなりません。なので、現在行っている作業を止めない様に、まずは影響範囲外の洗い出しを行う作業を行う必要があります。

システムの処理(特に画面)を事前に周知する目的とは?

解答例:作業の立ち上げが円滑になるから、内容を事前に把握した上で操作をする事ができる」

理由:これはシステム開発に限った話ではありませんが、事前にアジェンダを配布して確認をしておいてもらう事で、スムーズにその後の会議・開発作業が進む。

平行運用を行った場合に起こりうるリスクとは?

解答例:ユーザからの質問・要望が多発して平行運用作業が想定通りに進まない

理由:平行運用は計画するのが非常に難しい作業。計画通りに進まない事が多く、特に、ユーザから質問・要望が多発するケースが非常に多いです。挙句の果てには、システムを使用せずに手作業をしてしまう事もあります。

サプライヤと請負契約を結ぶ事でどんなメリットがあるか?

解答例:ユーザと契約した範囲の完成責任の負荷が軽減される(リスクを転嫁)

理由:システム開発を行う場合は完成責任が伴います。しかし、請負契約で一部の業務を任せる事ができれば、完成責任の負荷を軽減する事が可能になります。一般的にリスクの転嫁に関する問題で問われる事が多い内容です。もう少し細かい部分まで触れると「瑕疵担保責任」も含むのかどうか?「マネジメント」も任せる事ができるのかどうか?という点も問われるポイントになります。

新規のサプライヤと請負契約を結ぶ上での注意点・リスクは何か?

解答例1:サプライヤの請負契約にようる業務能力(遂行能力)が不明確である事

理由:上記のサプライヤと請負契約を結ぶ事によるメリットとは真逆のデメリットの話になります。これは特に新規のサプライヤを請負契約を結ぶ上で問われるポイントです。新規契約の場合はサプライヤの業務能力(請負契約時の業務能力)が不明確な事が多いです。この点はリスクとして考えておかなければなりません。

解答例2:直接の依頼が可能なのは、リーダーに対してだけである事

理由:請負契約の場合、リーダー以外のメンバーに直接依頼を行う事は禁止されています。もし依頼をしてしまうと偽装請負として法律で処罰される事もあります。法制度とも併せてよく問われるポイントになります。

問題読解型

問題読解をしなければならない設問については、解答内容は当然毎回異なったものになります。しかし、問題読解型の解答も、知識解答型と根底にある考え方は非常に似ていますから、演習を繰り返す事で少しずつコツが見えてくるはずです。

問題の詳しい解きかたは「みよちゃん本」などを参照していただきたいですが、基本的には設問を読み、問われているポイントを把握した上で、問題文を読み進めるという流れで良いと思います。

QCDの視点で、どの様な問題が潜んでいるか?問題に登場する人達がどの様な観点で問題を解決しようとしているのかを深く考える事が大切になります。

これらを前提として、先に述べた通り適切な文章表現で相手に答えを伝えなければなりません。自分だけが分かっている状態ではなくて、どの様な表現をしたら相手に伝わるのかをしっかりと考えながら記述しましょう。

知識解答型と同様に、この考え方は実際の現場でもかなり活用できる内容になりますので、試験のための勉強と割り切らずに、実際の現場でもここで学んだ考え方・スキルを活かしていきたい所です。

どの様な問題があるか

問題読解型の場合は知識解答型の様に、覚えれば答えられるというものではありませんが、ある程度パターン化されているものもあります。その点を中心に述べます。

答えがそのまま問題文の中に記述されている

設問例:~の作業を行う際に参考にしなければならない資料は何か?

解答例:「操作マニュアル」「外部設計書」など

答えの80%程度が問題文に記述されている

問題文の中に答えの80%分くらいの記述がされているので、文章からほぼ抜き出して解答する形になります。ただし、設問の内容によっては、問題文の内容をそのまま抜き出すと意図が伝わらない場合も多いです。

その際は、抜き出した文章を元にして文章を追加したり、表現を抽象化するなどの(ちょっとした)テクニックが必要になります。

問題文に記述された情報を元に文章を組み立てる

例:文章を組み立てる場合は、文章がそのまま問題文にある事はまれです。バラバラになった情報を集めて一つの文章にしましょう。尚、同じ意味を持った言葉であっても、問題文の中で扱われている言葉を使用した方が良いです。

知識解答+問題読解型

この場合は問題の中に含まれている答えと一般的な知識を組み合わせて解答するケースが多いです。

例えばサプライヤと請負契約をする際のメリット・デメリット等はよくこの様な問題が出題されます。

「問題文の中でサプライヤのA社と請負契約を結ぶが、その場合に注意すべき点とは何か?」といった問題に対して「A社のリーダーであるBさんにしか直接の依頼ができない事(Bさん以外の他のメンバーへの直接依頼は禁止である事)。」といった解答をしなければならないケースです。この様な解答は知識がある前提で、問題もしっかりと読みこんでいないと解答できないといった事があります。

よく出題されるケースをもう少し深掘りすると、

  • 文章構成は知識解答型だが、文言は問題の中のものを使用する
  • 文章構成は問題読解型(問題の中にある文章をほぼ抜き出す)が、一部の文言は知識解答となる

などがあります。

いずれも、各問題の内容、設問の内容を深く理解していないと解答ができないため、問題文を何度も読み込みながら、しっかりと答えを組み立てる様にしましょう。このスキルがしっかりと身に付けば午後Ⅱの論述もしやすくなるので、プロジェクトマネージャー試験を受験する時の必須スキルとして覚えておくと良いと思います。

まとめ

今回はプロジェクトマネージャー試験の午後Ⅰ対策というテーマについてお伝えしました。

やはり過去問を何度も解きながら、感覚的にも論理的にも解答方法を理解していくしかないのですが、今回お伝えした内容を覚えておくとヒントになるのではないかと思います。

今回お伝えした内容の中で重要なポイントを簡単におさらいしておきます。

午後Ⅰ対策は午後Ⅱのネタ集め対策にもなる。

午後Ⅰは大きく知識解答型・問題読解型に分けられる。

解答する際の文章表現にはいくつかのテクニックが必要となる。

これらを意識しながら模擬試験を解くことで、どんどん自信が身に付き、合格の可能性をどんどん高めていく事ができると思います。