国家資格である情報処理試験の中でも高度試験に分類されているプロジェクトマネージャ試験は、エンジニアに非常に人気がある資格であると同時に、実際にマネージャの経験があったとしても合格できないという方が非常に多い難関試験です。
どうして経験豊富であっても試験に合格できないのでしょうか?これは試験の「クセ」をしっかりと理解できていないためです。この状態で問題を解いても自分の力を100%発揮する事は難しいです。プロジェクトマネージャ試験の傾向やクセをしっかりと理解して対策を行う事で合格の確率を少しずつ上げていく事ができる様になります
さて、資格試験対策として一般的なのが参考書・問題集等の対策本を活用するというものです。
プロジェクトマネージャ試験には「超有名な対策本」があります。それが翔泳社から出版されている「情報処理教科書 プロジェクトマネージャ(著者:三好康之)」です。著者の三好さんの名前を取って「みよちゃん本」と呼ばれるこの対策本は非常に質が高く、この試験の受験者のほとんどが一読する大人気の対策本です。
あまりにも有名すぎるので既に持ってるよ。という方もいるかもしれませんが、今回は改めてこの「本」のレビューをしていきたいと思います。試験対策の方法も併せて紹介しますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
コンテンツ
情報処理教科書プロジェクトマネージャ(みよちゃん本)の概要と特徴
みよちゃん本の概要をざっくりとまとめると以下の様な内容になります。
- プロジェクトマネージャ試験の勉強方法についての全体像
- 合格者の体験記
- プロジェクトマネージャ試験の各知識エリア別に覚えておくべき知識(参考書として活用可能)
- プロジェクトマネージャ試験の各知識エリア別の試験対策(午前Ⅰ・Ⅱ問題、午後Ⅰ・Ⅱ問題全て網羅されている)
※特に午後Ⅰ・Ⅱの問題と解説は非常に具体的で分かりやすい - 膨大な数の過去問(WEBサイトにアクセスして14年以降の過去問と解説が閲覧可能、平成13年以前の問題は重要なものだけピックアップ)
この他にもプロジェクトマネージャ試験に合格するために必要な知識や、現場でも活かせる考え方等が満載の充実した内容です。
長い期間に渡り、人気の参考書としての地位を不動のものにしていますので、内容は毎年ブラッシュアップされると同時に情報量も非常に膨大です。
情報処理教科書プロジェクトマネージャ(みよちゃん本)のレビュー
ではみよちゃん本を徹底的にレビューしていきます。
みよちゃん本の良い点
みよちゃん本の良い点は以下になります。
- プロジェクトマネージャ試験に合格するために必要な問題の解法・知識を具体的に学ぶ事ができる。
- WEBから平成14年以降(13年以前は一部)の過去問と解説を閲覧可能!膨大な量の問題を演習できる
- 午後Ⅰの具体的な解法、良い評価・悪い評価をされるポイントが載っている
- 午後Ⅱ(論文)の具体的な書き方、良い評価・悪い評価のポイントが載っている
※合格点の論文だけではなくて不合格点の論文も掲載しており、論文の中でどのポイントが良くないのかを細かく分析する事ができる。 - 論文問題に必要なネタをどこから収集すれば良いか詳しく解説されている
- 午後Ⅰ・Ⅱの過去問の中で特に重要な問題が紹介されている
- 合格者の体験記を読む事で効率的な勉強方法が学べる
- 午前Ⅰ・Ⅱ問題の勉強方法が載っている(細かい解説までは載っていないが合格を目指す分にはこれで十分)
みよちゃん本の悪い点
基本的に悪い部分は特にありません。合格するために必要な情報が網羅されています。しいて言えば、現場でしか学べない「勘所」を書籍のみで学ぶのは難しいです。
※この点はみよちゃん本の中でも言及されています
現場でプロジェクトマネージャの経験が無い人は、過去問を何度も解いて知識の中からカン所を学ぶ様にしましょう。
また、午前Ⅰ・Ⅱ問題に関しては細かい解説はありませんが、午前問題については過去門を繰り返し解く方法で十分だと思います。過去問の数が非常に多いな。。。という事も感じるかもしれませんが、重要度の高い問題が紹介されているので、その問題から解くようにすれば良いと思います。
情報処理教科書プロジェクトマネージャ(みよちゃん本)を活用した勉強方法
勉強方法についてもみよちゃん本の中で紹介されているので、この内容をしっかりと熟読して、その通りに勉強を進めれば良いです。ただ、少し自分なりに実践していて良いと思った勉強方法もあるので、その点をご紹介します。
午前Ⅰ
なるべく多くの過去問を解く!試験をパスする事だけを目標にするのであれば参考書で知識を得たりするよりも、過去問を知識として身に付ける方が効率的です。
午前Ⅱ
午前Ⅰと同様に過去問を解く!こちらも合格だけを目標とするのであれば過去問を解くのが効率的です。
但し、午前Ⅱの問題は午後問題の基礎となったり、論述のネタとなったりするものも多いので、問題内容だけではなくて、必要に応じて周辺知識等も収集しておくと良いです。ちなみに、過去問の類似問題が多いため、この部分を押さえておけば点数もぐんぐん伸びます。なので勉強時間はわりと少なくても済むかもしれません。満点を狙うくらいの気持ちで知識を身に付けましょう。
午後Ⅰ
午後Ⅰ問題は鬼門とも言える箇所で、問題内容には結構クセがあります。
まず、問題文の内容と設問で問われている内容をしっかりと理解していなければ問題を解く事ができません。これはプロジェクトマネージャの経験だけで簡単に理解する事は難しく、ある程度の慣れが必要になります。みよちゃん本には、膨大な数の過去問と解説が載っています(WEB上での閲覧データを含む)ので、何度も演習を繰り返して問題を解くプロセスを身に付けるのが良いと思います。
午後Ⅰの対策についてはこちらのページで詳しく紹介しているので参考にして下さい。
午後Ⅱ
午後Ⅱ問題は論述になります。過去問の傾向からすると約2000文字程度(原稿用紙5枚分)の分量が必要となります。
この論述問題についても、みよちゃん本で過去問がほぼ網羅されていますので、その問題と論文対策を元にして対策をしましょう。
論述問題というのは単に知識を身に付ければ良いというものではなく、文章をまとめる力に加え、問題に対して適切な文章を書く力が必要になります。問題に沿って論文を書いたと思っても、後で読み返したり他の人が読んでみると「問題からズレてるな」という内容になってしまう事も多々あります。
また、論文を書く際には、いわゆる「ネタ」が必要になります。このネタの探し方についてもみよちゃん本で詳しく紹介されていますので、ぜひ参考にしたい所です。
午後Ⅱの対策についてはこちらのページで詳しく紹介しています。
情報処理教科書プロジェクトマネージャ(みよちゃん本)の総評
みよちゃん本についてのレビューやおすすめの勉強方法等についてご紹介しましたが、プロジェクトマネージャ試験を受験するのであれば必須と言っても良い優良参考書だと思います。仮に試験を受験しないとしても、エンジニアとして、プロジェクト参画者として必要な知識や心がけに関する情報がぎっしりと詰まっています。
一度読んでみて、その内容を確認してみてほしいです。
まとめ
今回は、三好康之さんが書かれた「情報処理教科書 プロジェクトマネージャ」(通称:みよちゃん本)のレビューをしました。
本文でもご紹介した通り、受験者のほとんどが読んでいる対策本であり、プロジェクトマネージャ試験を受験する上での必要な知識・考え方のほとんどが網羅されている内容になります。
後はこの対策本の内容をどこまで突き詰めて理解する事ができるか?という事が試験の合否を決めると言っても過言ではありません。非常にボリュームのある内容なので、勉強を始めるのはなるべく早めが良いです!