今回は「ITエンジニアに転職をしようかな。」と思った時にまずやっておきたい準備を紹介します。

よくあるケースとして、転職をしようと思い立ち、すぐに活動!という目標を立てたはいいものの、すぐに失速して転職活動をやめるという方がいます。転職をするためには様々な準備が必要になるため、それらを面倒に感じてしまい転職活動をやめてしまうのです。

転職活動は事前にしっかりと計画立てを行って、余裕を持って進めるのが大切です。そして、その方が、希望通りの転職が叶いやすいです。まずはできる所から一つ一つ準備をしていきましょう。

この記事は以下の様な方を対象にしています

  • これからエンジニア転職をしたいと考えている
  • 今の会社に不満や悩みがあり、他の企業へ転職を考えている
  • エンジニアに転職したいが、何をしたら良いか分からない
  • 計画的に転職活動を進めたい
  • 転職をするための最初のステップを知りたい

「履歴書」の作成準備

「履歴書って最初に準備するものなの?」と思うかもしれません。

「履歴書は実際に企業に応募をする時に書けばいいのでは?」と。

しかし、転職で成功するエンジニアと話をしていると、最初に履歴書の作成準備をしたという方が意外に多いです。まずは自分の経歴を見直して、履歴書に書く内容をイメージする事で、転職活動への最初の一歩を踏み出せる様になると言います。

それに、この時点では、実際に履歴書を記載する訳ではなくて、まずは自分の経歴を見直して、履歴書に記載する内容を整理できれば準備としてはOKです。いざ履歴書を作成する!となった時に書くネタは揃っている。という状態を目指しましょう。
※業務経歴の詳細については、後程紹介する職務経歴書に記載します。

という訳で、まずは履歴書の作成方法についてご紹介します。履歴書はどんな転職を行う場合でも最低限必要となる書類ですね。

履歴書には一般的に以下の3種類があります。

  • 手書きの履歴書(コンビニや文具店で販売されている一般的なもの)
  • 電子ファイルの履歴書(エクセルで作られたテンプレートを元に作成する)
  • 企業側で用意したエントリーシート(履歴書替わり)

一般的な企業の場合は手書きの履歴書を使用しますが、IT系の場合は電子ファイルでもOKというケースも増えています。電子ファイルの方が作成後の修正等は楽なので、電子ファイルでもOKであれば、こちらを採用しても良いかもしれません。また、企業側でエントリーシートを用意している場合は、そのフォーマットに入力する形で履歴書替わりとできる場合もあります。

履歴書の準備

応募する企業によって、最適なフォーマットは変わるので応募時に選択するスタンスでOKです。

ただ、履歴書に記載する内容は予め想定しておき、どの様なフォーマットでも基本的な経歴や、志望動機、資格等は記載できる様に準備しておきましょう。

いつ手書きの履歴書が必要になるか分からないので、転職活動を開始した時点で5枚程度書いておくという準備の良い人もいます。また、履歴書に添付する証明写真等も事前に用意しておくと良いかもしれません。

ITエンジニアの場合は履歴書よりも、この後でお伝えする業務経歴書(スキルシート)を重要視される事が圧倒的に多いので、自分の最低限の経歴を的確に表現できれば良いです。

※履歴書の書き方について参考になるサイトも紹介しておきます。
■IT転職チャレンジャー(履歴書の書き方)
参考サイトURL:http://it.tenchalle.com/rirekisyo.html

「職務経歴書(業務経歴書)」の作成

IT系の転職の場合、履歴書よりもこちらの職務経歴書(業務経歴書やスキルシートとも呼ばれる)の方が重要になります。これまでの業務経験や、スキル(言語スキル、開発工程)を的確に表現して、自分をしっかりとアピールする必要があります。

例えば、IT系の求人を見てみると、

  • 必須スキル:Javaの業務経験3年以上
  • 優遇スキル:AWSを使用したシステム開発経験、上流工程のリーダー経験

といった応募条件が並んでいます。職務経歴書の中で条件に対してアピールしたい事をしっかりと伝える様にしましょう。

職務経歴書の準備

職務経歴書を作成する時に重要なのは自分が行ってきた経験やスキルの棚卸しです。

  • 役割経験(プロジェクトマネージャ、リーダー、コンサル等々)
  • 工程(基本設計、詳細設計、製造、テスト等々)
  • 言語スキル(Java、Ruby、PHP等々)
  • 業務の状況、課題、自分の行動、結果のまとめ

これまでに培ったスキルをしっかりと棚卸ししておきましょう。

実際に職務経歴書を作成する際は、転職エージェントの担当者や周りの人達にも確認をしてもらうのがオススメです。自分はしっかりとアピールできていると思っていても、実は適切にアピールできていないケースがかなり多いからです。
※フリーランスのエンジニアは職務経歴書で報酬が大きく変わる事もあるので、しっかりと業務経歴書を作成します。

職務経歴書の作成方法の詳細については以下の記事もぜひ参考にしてみて下さい。

関連記事

「転職したい」と思う志望動機の明確化

先に紹介した職務経歴書の作成と同じく、エンジニアにとって志望動機は非常に重要です。

業務・職務は多岐に渡るため、企業にマッチする人材なのか、もっと詳細に言えば企業の中で進行中のプロジェクトにマッチする人材なのかを判断される事になります。何よりも、自分自身が今後どの様な仕事に携わりたいのかを明確にする事で、転職活動や今後のキャリアの作り方を左右する可能性があるからです。とは言え、悩み過ぎても何も始まりません。自分自身が今後実施したい事をどんどん明確にしていく様にしましょう。

これから紹介する内容を何度から繰り返して、志望動機の洗い出しとブラッシュアップを行いましょう。

自分どの様な事に興味を持っているのか(未来への展望)

自分自身が興味を持てる仕事(仕事以外でもOK)を明確にしましょう。

現在、エンジニアの仕事というのは現在は多岐に渡ります。言語等の自分が持っているスキルを前提にして、仕事を探すのもいいですが、そもそも自分が興味のある仕事を明確にしてみてはいかがでしょうか?

興味のある仕事の探し方

例えば、業種で選ぶなら、以下の様なシステム開発に携わる事で自分が興味を持てる仕事に没頭できる可能性があります。

  • ファッションが好き⇒ECサイトシステム、大手デパートのクレジットカードのシステム
  • 旅行が好き⇒電車、飛行機の予約システム
  • 株式投資に興味がある⇒証券会社売買システム、金融系の顧客管理システム
  • ゲームが好き⇒コンシューマゲーム、スマホ用アプリ

また、職種で選ぶなら、以下の様な仕事をする事で自分の希望通りの仕事ができる可能性があります。

  • リーダーになりたい⇒プロジェクトマネージャ、現場リーダ
  • 作る事が好き⇒システムアーキテクト
  • 最新技術が好き⇒最先端の研究職

自分が興味のある業界・職種と紐づけて仕事探しをする事で、自分にマッチした仕事が探しやすくなるかもしれません。ですから自分が興味を持っている事をしっかりと明確にしましょう。

これまで、どの様な仕事にやりがいを感じたか(過去の自分の棚卸し)

上述の通り、興味を持っている事を明確にする事も重要ですが、これまでの仕事の中でどの様な事にやりがいを感じたかを明確にする事が大切です。「何にやりがいを感じたか」を自分の中で明確にしておく事と、転職後に持続しやすい仕事を見つけやすくなります。

やりがいを感じた事の例

  • コツコツとコーディングする事がすごく好き
  • 進捗管理をしたり、指示出しをするのが好き
  • 常駐先のお客さんと一緒に仕事をするのが好き
  • プロジェクトを完遂させた時の達成感が好き
  • 周りの人から認められるのが好き

などなど、仕事の中で実際にやりがいを感じた事を洗い出しておきましょう。

これらは、実際の転職活動の面談で「これまでの経歴を教えて下さい。」と問われた時に具体的な回答をするネタにもなります。

転職活動では「自分の棚卸し」が重要と言われますが、この作業を行うと自分の目的や、面談時のアピールポイントを明確にする事ができます。

情報収集(業界・企業・転職方法などについて)

転職のためには情報収集が重要とよく言われますし、その通りだと思います。

情報収集は転職時に限らずに重要なのですが、ここでは今後の転職に備えて必須のものを挙げておきます。

業界の情報収集

まずは、業界の情報収集を行いましょう。

システムエンジニアと一言に言っても様々な業界のシステムエンジニアがいます。

システムエンジニアが活躍できる業界例

  • 金融系
  • 製造系
  • ネットワーク事業系
  • 官公庁系
  • 旅客系
  • WEB系

この他にも当然様々な業界でエンジニアが活躍しています。

既にお伝えしている「自分がやりたい事」や「過去にやりがいを感じた事」を基にして様々な業界情報を収集してみましょう。

「〇〇業 エンジニア」といったキーワードで検索エンジン等で調べてみるだけでも、各業界で活躍しているエンジニアがどの様な仕事をしているのかがよく分かると思います。

職種の情報収集

次に職種の業界の情報収集をしていきましょう。

既に挙げていますが、エンジニアには様々な職種があります。

システムエンジニアの職種例

  • システムエンジニア(開発・保守等)
  • プログラマ(開発の製造~テスト等)
  • システムアーキテクト(開発の製造等)
  • インフラエンジニア(基盤系の保守等)
  • ネットワークエンジニア(サーバのネットワーク保守等)
  • プロジェクトマネージャ(システム開発の責任者)
  • システムコンサルタント(システムの導入支援・企画等)

マネージャやコンサルタントはエンジニアとは少し違う職種になるかもしれませんが、エンジニアの仕事を検索するとこれらの仕事も一緒に出てくると思います。また、エンジニアがマネージャやコンサルの業務を兼務するケースも多いです。

こちらについても「やりたい事」や「やりがいと感じた事」を軸にして、自分に合った職種をしっかりと検討してみましょう。今は様々な職種がありますので、各職種が行う仕事や資質について情報収集をいていけば、自分に合ったものが見つかると思います。

企業の情報収集

業界、職種についての情報収集ができたら、具体的に企業の情報収集を行いましょう。

実際に転職活動をする中で、より詳細な情報収集が必要になると思いますが、いくつかの企業をピックアップしてそれらの採用条件などを見ているだけでも、転職後の仕事内容がイメージできる様になると思います。

企業の情報収集の方法

  • WEB上で様々な企業のHPを収集(会社規模、業種、職種、採用有無)
  • 転職サイトで企業情報を収集
  • 転職エージェント経由で企業情報を収集
  • 企業に就職、転職した方の口コミ情報を収集

重要なのは、一つの情報に縛られ過ぎない事です。自分の中で掲げている条件にこだわりを持つのは良いですが、単に大きな会社だから、とか、口コミで良い意見/悪い意見があったというだけで、盲目的な判断をしない様にしましょう。様々な角度から企業の情報を収集して、自分に合った企業を探してみましょう。

転職方法に関する情報収集

転職先の業界・職種・企業に関する情報収集は当然だと思います。

ただ、どの様に転職活動を行うのか?つまり「転職の方法」に関する情報収集も必要です。

その記事を読んでいただいているのも、転職の方法に関する情報収集になると思います。

転職をする際はIT系に限らず「転職サイト」「転職エージェント」を使うケースが大半だと思います。
※その他にもSNSや紹介による転職を成功させる方もいます。

これらのサービスを活用して、どの様に転職活動を進めるのか?について情報収集をする様にしましょう。

このサイトでも転職サイトや転職エージェントの活用方法については詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみて下さい。

その他にも大事な事

今回ご紹介した意外にも重要な事をお伝えします。

身だしなみに気を遣う(意外と重要)

身だしなみって大事?と思うかもしれませんが、やはり第一印象というのは非常に重要です。

面談をする側としても「この人いいな」とか「ちょっと微妙だな」という印象を持ちます。興味を持てば、前向きな質問をしますし、興味を持てないと、ネガティブな質問に終始してします事もあります。

急に良い印象というのは作れるものではありません。普段から、清潔感や表情などに気を付ける様にして、急に面談が入ってもすぐに対応できる様にしておきましょう。
※履歴書の写真も清潔感がある印象を持たれる様なものを選択しましょう。

面接準備をする

面接対策は本格的な転職活動を開始してからでも良いのですが、その前に準備はしておきましょう。

既にお伝えしている内容もありますが、以下の様な事を意識して「面接時にどの様な回答をしようかな?」と今のうちから考えておきましょう。

面談までに整理しておきたい回答

  • 自分の職務経歴
  • 自分がどの様な事にチャレンジをしたいのか
  • 過去にどの様な事にやりがいを感じたのか
  • 転職後に企業に貢献できる事は何か(企業にとってのメリットは何か)

まとめ(繰り返しが大事)

今回はIT業界(特にエンジニア)に転職をする上で、事前にやっておきたい準備について紹介をしました。

記事のまとめ

  • 履歴書の作成準備
  • 職務経歴書の作成
  • 志望動機の明確化
  • 情報の収集

今回ご紹介した準備のプロセスを経る事で、本格的な転職活動をスムーズに進められる様になると思います。

そして、今回紹介したプロセスに完了はありません。以下の様に何度も何度も作業を繰り返しましょう。

  • 業務経歴書の見直し
  • 志望動機のブラッシュアップ
  • 業界・職種・企業についてさらに情報を収集

計画的に転職活動を行い、希望通りの転職を叶えるために頑張りましょう。