今回はエンジニア向けの最強の職務経歴書の書き方!と題しまして、職務経歴書の書き方についてご紹介します。
「最強ってずいぶん、デカく出たな」と思われるかもしれませんが、本当に良い職務経歴書を記載するためのノウハウ・考え方をまとめましたので、ぜひ参考にしてみて下さい。
今回は転職する事を想定した職務経歴書となっていますが、フリーランスのエージェントの方が職務経歴書を作成する際にも十分に参考にしていただけると思います。
- エンジニア転職を考えており、書類審査をパスできる職務経歴書を作成したい
- 自分を100%アピールできる職務経歴書を作成したい
- 今よりもレベルの高い企業に転職したいので、職務経歴書で高評価をしてもらいたい
- フリーランスエンジニアだが単価を上げるために、しっかりとした職務経歴書を作りたい
コンテンツ
職務経歴書を書く前に
まず、職務経歴書を書く際に意識すべき点を明確に把握しておきましょう。実際に職務経歴書を書く前の心構えです。
職務経歴書を書く際にまず意識すべき点、それは「自分の過去・現在・未来、そして企業へのメリット」です。
これだけだと少し抽象的な表見になってしまいますが、以下の様な事をしっかりと意識しながら職務経歴書に表現する様にしましょう。
※具体的な内容はこの後でしっかりとお伝えします。
- 自分の経験・実績が簡潔、かつ具体的に表現されている(自分の過去)
- 今後の自分のキャリアプランを表現できている(現在の想い、未来への展望)
- 転職後に自分が与えられる価値は何か?(企業へのメリット)
これらの事を職務経歴書上で分かりやすく、かつ、具体的に伝えきる事が大切です。
さらに、職務経歴書は転職の面接の中でも必ず問われるものになります。※書類選考だけで必要な訳ではありません。
職務経歴書の話から自己PR等に展開する事もあるので面接の通過を左右するものでもあるのです。ですから、職務経歴書を作成する際は面接の事も意識する様にしましょう。
IT企業・ITエンジニアに転職する場合、当然ながら採用面接を受ける必要があります。 面接は練習が必須です。でも、、、転職となるとなぜか面接の予習をしない人が大勢います。新卒就職の際は面接練習を繰り返しているのに。。。 面 …
職務経歴書の書き方
ではでは、職務経歴書に記載する項目毎に順番にご紹介していきます。
職務要約
職務要約は一般的に職務経歴書の最初に記述する内容になります。
- 必須項目ではありませんが記載した方がベター
- 職務経歴書に記載した内容全体を要約して記載
※職務経歴書の他の項目を埋めた後に記述するのが良い
基本的に最初に記述する内容のため、キャッチコピー的に自分をアピールする部分でもあります。職務経歴書の全体像が完成してから、最後に自分をアピールしたい点や、企業側にメリットとなる点を中心にまとめると良いです。
以下の様に自分が携わった業務・フェーズ・身に付けた知識・自分のポジション等を上手に文章の中に取り入れながら、企業側が求める人物にマッチしている内容に落とし込むと良いアピールにもなります。
- 〇〇業界で〇〇年間業務に携わった(業界知識がある)
- 上流工程で要件定義や基本設計を自力で行った(上流工程のフェーズを担当している)
- リーダーとしてメンバーの進捗管理や他チームとの調整を行った(リーダ経験がある)
- 品質管理の方法を自分で確立して、現場のスタンダードとなっている(調整力がある)
- 〇〇の様な工夫をして、進捗の遅れを防ぎ、期限通りに納品を行った(マネジメント力がある)
企業側が「フムフム、いい経験をしているな。」と思われる様なポイントを簡潔にまとめましょう。
今後、活かせる技術・経験等
上述の職務要約とセットで冒頭に記載する内容になります。
- 必須項目ではありませんが記載した方がベター
- 職務経歴書に記載した技術・知識・経験等を箇条書きで記載する
※職務経歴書のテクニカルスキル一覧、担当フェーズ、業務内容等を埋めてから記載するのが良い
企業に向けて活かせる技術・経験については、職務内容の内容と一部重複するかもしれませんが、具体的な技術・知識・経験を分かりやすく箇条書きで記述するのが一般的です。
以下の様に使用した言語や、具体的な業務内容に触れながら、パッっと見で分かる内容にまとめましょう。
- C言語、VBを使用した小売業向け生産管理システムの開発経験(言語スキル、開発スキル)
- 要件定義、設計、製造、システムテストまでの全開発工程の経験(上流、下流両方の経験)
- 〇〇名のチームにて進捗管理、業務指示等を行うチームリーダ経験(リーダ経験)
- 小売業向けの業界知識(業務知識)
ここでは、自分の経験や企業に向けてメリットとなる点をとにかく分かりやすく簡潔にまとめるのがコツです。
職務経歴(メイン部分)
職務経歴書のメイン部分である「職務経歴」になります。
- 職務経歴書の必須項目(職務経歴書のメイン)
- 書類審査を通過するかどうかが決まる重要なポイント
過去に参画したプロジェクト単位で主に以下の情報をまとめて記載します。採用側が一番重点的に見る最重要ポイントになります。
参画プロジェクト概要
参画したプロジェクトについての概要をまとめて記述します。以下の様な事をまとめて文章にしましょう。
- 職務経歴書の必須項目
- 参画したプロジェクトの内容を要約した内容を記述(概要)
概要という形でまとめるのは慣れが必要かもしれませんが、一般的に使われているプロジェクト概要を見てみれば、およその記載の仕方は分かると思います。
- 小売業向けの生産管理システムのサーバ更改における開発および保守・運用
- 旅行会社向け予約サービスのシステム構築における開発
ここはありのままに簡潔で分かりやすく表現すればOKです。
担当フェーズ
以下の様に自分が参画したフェーズを全て記述するのが一般的です。
- 職務経歴書の必須項目
- 担当フェーズでは以下の様なフェーズの中で自分が担当した内容を列挙。
※一般的な開発フェーズ文言を用いて詳しく記述しましょう。
要件定義、基本設計、詳細設計、製造、単体テスト、結合テスト、システム間連携テスト、システムテスト、移行
特に、得意なのは上流?それとも下流?という点はよく吟味される箇所なので、設計や製造に関しては漏らさず記述する様にしましょう。それと、移行、ヘルプデスク等、実施したものはここに全て記述します。
- 基本設計
- 詳細設計
- 製造
- 単体テスト
- 結合テスト
この例だと「この人は設計以降の開発メインの人なんだ」という事が分かります。マネジメントの業務を行っていた場合は、こことは別で記載します。
業務内容
プロジェクトで実施した業務内容を簡潔にまとめて記載します。
- 職務経歴書の必須項目
- 参画したプロジェクトの業務内容を文章で表現
以下の様に参画プロジェクトの中で実施した業務を分かりやすくまとめましょう。他の項目と重複しても良いので、特にアピールしたい業務内容を一覧にすると良いです。
- 顧客へのヒアリングを行い、要件定義を実施
- システム規模や工数の見積もりを実施
- 基本設計、詳細設計を実施
- 製造工程を担当するメンバーへの指示と成果物のレビュー
アピールとはいえ、自己PRではないので、自分が行った業務を正確に記述しましょう。
使用スキル
プロジェクトで使ったスキルを簡潔にまとめて記載します。
- 職務経歴書の必須項目
- 参画したプロジェクトで使用した言語、DB、フレームワーク、OS等を列挙
参画プロジェクトの中で使用したスキルを以下の様に記述します。後続で登場するテクニカルスキル一覧とも重複しますが、気にせず書いて問題ありません。
【言語】
C言語
C#
【DB】
Oracle Database 10g
【フレームワーク】
無し
【OS】
Linux
Windows
各スキルをどの位使いこなせるのか?については、別途テクニカルスキル一覧で表現する事が多いですが、フォーマットによっては各スキルのレベルを記述する事もあります。
※記述方法については、後続で紹介するテクニカルスキル一覧を参照して下さい。
具体的取り組み・仕事の実績等
具体的な取り組みも記載をすると良いのですが、「何を書けばいいの?」と思ってしまうかもしれません。
ここに書くべきなのは、自分の取り組みによってプロジェクトの作業が改善された実績等々について記述すると良いです。正解はありませんが、業務の中で具体的に取り組んだ内容を箇条書きにするのがベターです。
- 職務経歴書の必須項目
- 参画したプロジェクトの中で自分が取り組んだ事、その実績を箇条書きにする
いくつか例を挙げておきます。
- 品質管理の方法を確立してドキュメント化し、その内容をプロジェクト全体に対して3回の説明会を行った。その結果として、プロジェクト標準の品質管理方法として導入された。このルールに沿って運用を行う事で、プロジェクト全体として期限通りの納品を行うと共に品質基準をクリアした。
- 設計書の不備や不足があったため、必要な設計書を追加・修正する作業を実施。完成度の設計書を納品する事で製造以降の作業を問題なく実施して期限通りに納品を行った。プロジェクト完了後、顧客から設計書の作成作業、品質について高評価をいただいた。
「取り組み」と「実績」が一つの文章の中でしっかりと表現されていて、その内容がアピールポイントになっているのが理想です。採用する側から「なるほど、そういう取り組みをして、プロジェクトの業務を改善したんだな。」と思ってもらえれば高評価になります。
テクニカルスキル一覧
これまでに得た技術を分かりやすくまとめるのがテクニカルスキル一覧です。職務経歴の部分でもスキルについては記述していますが、テクニカルスキルに関して別途一覧化して記載するケースが多いです。
- 職務経歴書の必須項目(職務経歴と併せて最重要項目)
- 自分が持っている技術(言語、DB、フレームワーク、OS等々)を明確に記述
- 言語やDBの名称はバージョン名まで詳しく書くとベター(わざわざ記述しなくても良いものを除く)
実際に記述する際はテキストベースでまとめて記載する事もありますし、エクセルの様に表組する事もあります。転職サイトやエージェント活用する場合は、各サービスのフォーマットに合わせて記述しましょう。
以下の様にしてスキルを一覧化して表現するのが一般的です。
カテゴリ | スキル | 期間 | スキルレベル |
言語 | C言語 | 3年 | 独力で設計・製造可能、メンバーの指導可能 |
C# | 2年 | 指示のもとで設計・製造可能 | |
JAVA | 3年 | 独力で設計・製造可能、メンバーの指導可能 | |
Ruby | 1年 | 指示のもとで製造可能(独学で学習) | |
DB | Oracle Database ※10g、11g |
3年 | 独力で環境構築可能、メンバーの指導可能 |
SQL Server | 2年 | 独力で環境構築可能 | |
フレームワーク | struts | 2年 | 指示のもとで設定・利用可能 |
Ruby on Rails | 1年 | 指示のもとで利用可能(独学で学習) | |
OS | Linux ※Red Hat Enterprise Linux |
3年 | 独力で環境設計・構築が可能 |
AIX | 1年 | 指示のもとで環境設計・構築が可能 | |
Windows | 6年 | 独力で環境設計・構築が可能 |
企業が求人、フリーランス向けの人員募集を行う際は以下の様な条件をよく見ると思います。
- C#によるクライアント側システムの開発経験〇〇年
- AWSを使用したクラウドサービスの開発経験〇〇年
企業の募集要項とマッチした内容が記述されていれば、最大のアピールポイントになります。自分がこれまでに身に付けたスキルを具体的かつ分かりやすく記述しましょう!
取得資格
これまでに取得した資格について記述します。
- 職務経歴書の必須項目
- 自分が持っている資格を箇条書きにする
記述の仕方は一般的な内容でOKですが、一応例を記載しておきます。
- 応用情報技術者
- ORACLE MASTER Silver
資格については履歴書等にも記述するかもしれませんが、職務経歴書にもしっかりと記述しましょう。「普通免許」等の業務とは直接関連性の無い資格は履歴書にのみ記載するのが一般的です。
※仕事上、車を使用するのであれば「普通免許」も記載しても良いと思います。
自己PR
職務経歴書では自己PRも記述します。
自己PRの重要度は採用者によって異なりますが、人によっては自己PRの善し悪しで書類審査をパスさせるかどうかを判断する人もいます。また、面談で聞かれるネタの一つにもなりますので、自分をしっかりとアピールしましょう。
※冒頭でもお伝えした「過去・現在・未来・企業へのメリット」については、特にここで表現すると良いと思います。
- 職務経歴書の必須項目
- これまでの実績(過去)や今後希望するキャリアパス(未来)を文章で表現する
職務経歴書に記述する内容は基本的にこれまでの経験を元に作成されます。そういう意味では今後希望するキャリアパスに関して記述する箇所はありません。
今後のキャリアパスについて言及できるのは、この自己PR部分になります。これまでの経験と絡めながら、今後自分がやりたい事や、それによって企業にどの様なメリットがあるのか?をしっかりと表現する様にしましょう。
私は小売業の生産管理システム更改プロジェクトにおいて、プロジェクトリーダを務めました。現場ではプレイングマネージャーとしても実務を行い、進捗管理やメンバーへの指示を中心に業務を行いました。本プロジェクトでは新規メンバーが多かったため、システムや業務に関する手順書やマニュアルを作成し、メンバーの習熟度を高めて成果物の品質を高める取り組みをしました。
プロジェクトで一通りの開発工程を経験後、追加案件プロジェクトにおいては、自らシステムの資材管理の基準や運用方法を作って他チームにも連携しました。これらの取り組みの結果、納期まで無事にリリースを完遂し、さらに顧客の品質基準もクリアし、高品質な納品物だったとの評価もいただき、プロジェクトを成功に導く事ができました。
まとめ
今回は最強の職務経歴書の作り方という大それたテーマで、職務経歴書の記載方法についてご紹介しました。
- 職務要約
- 今後、活かせる技術・経験等
- [職務経歴]
参画プロジェクト概要
担当フェーズ
業務内容
使用スキル
具体的取り組み・仕事の実績等 - テクニカルスキル一覧
- 取得資格
- 自己PR
今回ご紹介した内容が職務経歴書の必要十分な内容になると思います。
当然、上記意外にもどうしても記述したい内容があれば、追記するのもOKですが「自己PR」の部分などに上手く内没させる様にすると良いと思います。
しっかりとした職務経歴書を作成して、転職活動やフリーの方であれば案件獲得を成功に導きましょう!