フリーランスエンジニアは「稼げる!」と言う人もいれば、「いやいや、意外と稼げない!」と言う人もいます。全然真逆の事を言っているので、真実がどちらなのか全然分かりませんね。そもそも稼げるという基準がどの程度を指しているのか?も曖昧です。
その真実を明らかにするために、今回は以下の事について考察していきたいと思います。
- なぜフリーランスは稼げると言われるのか?
- 逆に、なぜフリーランスは稼げないとも言われるのか?
- 実際の所、フリーランスは稼げるのか?
- 年収を上げる方法はあるのか?
これらを理解する事で、今後フリーランスとして活躍したい!という希望を持っている方には特に参考にしていただけると思います!
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フリーランスエンジニアが稼げると言われる理由
まずはフリーランスのエンジニアが稼げると言われる理由について考察してみます。
フリーランスで活躍しているエンジニア仲間の話を聞くと、平均年収よりも高い年収を稼いでいる人は結構います。年収1000万円超はもちろん、2000万円以上になる人も。
※1000万を超えるのは30代以上がほとんど
ただ、高収入のエンジニアにはそれに伴うスキルが備わっていたり、仕事の仕方を工夫したりしています。例えば、年収1000万円を超えるフリーランスはおよそ以下のいずれかに該当すると思います。
- クライアントから非常に評価されていて1つの案件で稼いでいる(大体は常駐)
- 複数の案件を抱えていてトータルで稼いでいる
※この他にも個人で開発したプロダクトやアプリを販売して成功している方もいますが、収入はプロダクトの販売成績にかなり左右されるので、ここでは除外します。
これらの2パターンのエンジニアの方がどの様に仕事をしているのかもう少し踏み込んで説明します。
1つの案件で稼ぐパターン
まず、1つの案件で稼ぐ人は以下の様な方です。
- 豊富な業務知識、高度な開発スキル・専門性のいずれかをクライアントから高く評価される
※SAPやOracle等ベンダー系ソフトについて高い専門性があったり、ユーザよりもシステムを熟知しているケースが多い。 - 大きな実績がある(過去に国際論文を発表した、業界でも有名なプロジェクト成功経験がある)
※エンジニア向けの雑誌に載ったりすると大きな実績になったりします - クライアントから大きな信頼を得ている(この人がいないとシステムの運用が止まる!などと思われている)
個人的に知っている限りだと、高度な技術・業務スキルを持っている技術者タイプが多いです。これくらいの実力があれば1000万円を超えるのも当然と言えば当然です。
複数の案件で稼ぐパターン
複数案件で稼ぐ人は以下の様な形で仕事をしています。
- 週5の常駐案件の他に、自宅でできる案件(月に20時間分程度)を抱えている
- 月50時間程度の案件を3~4つ抱えている
いずれの場合も稼働時間は大きく変わりません。例えば、一般的なSES契約の場合、月の稼働日数が平均160時間位(140時間~180時間枠)だと思いますが、上記の場合、月に200時間ちょっと仕事しているイメージです。
稼働時間が増えるのですから、収入が高くなるのも当然です。
あまりにも稼働時間が増える場合は、作業の一部を外注化するなどして、業務全体をさらに効率化している方もいます。
この方法で仕事をしている方は、技術だけではなくて、マネジメント力に長けた方が多いです。フリーランスの枠を超えて法人化を検討している方もいます。また、IT業界で身に付けた経験やマネジメントスキルを活かして他業種のビジネスを始める方もいます。
どちらがいいのか?⇒両方を目指すのがGood
1案件で高単価の案件を取得するケースと、複数案件でトータルで高収入になるケースを紹介しましたが、結論から言うと最終的には1案件当たりの単価をUPさせる&複数の案件も抱えられる様にするのが理想です。
複数の案件を抱える事は、アウトプットのクオリティにも影響してくるので、上述している様に部分的に外注化をする等の工夫も必要になります。ただ、あまりに規模が大きくなると、もはやフリーランスではなくて、法人化を目指す方が合理的かもしれません。
スキルや経験もどんどん身に付くので、単価も上がりやすくなります。複数の案件を抱えても誰からも文句も言われないというのはフリーランスの大きな強みです。
フリーランスエンジニアが稼げないと言われる理由
既に稼げる理由をお伝えしたばかりですが、どうして「稼げない」と言われる事があるのか?について考察してみます。
フリーランスとして年収を上げるためのヒントとなる様な考えも載せているので、ぜひ参考にして下さい。
「稼げる」の基準が高すぎる
そもそも稼げるというのはどの位を言うでしょうか?
稼げると言うと年収1000万円と語る人もいますが、「年収1000万円が当然」という考えは基準が高すぎると思います。
サラリーマンとフリーランスでは社会保証の内容も異なるため、簡単な比較はできませんが、フリーランスでも800万円を超える位になれば、全然稼いでいる人と言えるのではないでしょうか?
周りのエンジニアの意見を聞いても年収で約800万円を超える位であれば、フリーランスになるのも全然アリという意見が多いです。
※あくまで周りのエンジニアの平均意見です
年収の少ないフリーランスエンジニアが結構いる
実は年収が少ないフリーランスも結構います。
この場合、自分から希望して必要な時だけ仕事をしているケースが大半です。フリーランスの場合、出勤をする必要もなくてリモートでできる仕事が多いので、これで満足という方も結構いるのです。
※2020年のコロナショックの影響で、会社員のエンジニアでもリモートで仕事をするケースがかなり増えました。
クライアントとの合意が取れれば週2、3だけの仕事をする事も可能ですが、この場合、年収は少なくなります。
お金が目的でフリーランスになる訳ではありません。フリーランスであれば週3日の勤務だけでOKという方も数多くいます。この様な方は収入を目的にしてフリーランスになった訳ではないと思います。
フリーランスになる理由は人さまざまなのだと思います。なので、単純にフリーランスエンジニアの平均年収だけで比較をしても意味がありません。
経験が浅い間は単価が上がらない
当然ですが、経験が浅い状態で高収入を目指すのは非常に厳しいです。
最初はサラリーマン時代よりもちょっと高めくらいからスタートする方が多いです。サラリーマンとは違って、保険料負担が大きくなったり、交通費込みの収入だったりするので、むしろサラリーマン時代よりも手取りが少ないと感じる方も多い様です。
単価が上がる前に辞めてしまう人がいますが、この様な仕事の仕方では当然単価はあがりません。そんな簡単に単価が上がる訳ではありません。そもそもプロジェクトの参画期間が短く、それが何度も続くような方は、クライアントも採用したがりません。
元々大きな実績があれば、最初から高単価の案件を受注できる可能性もありますが、それができる人は限られています。
※それでも最初から高単価を目指したい場合は、先に述べた複数案件を受注するスタイルで年収を上げるという方もいます。
まず初めは少し収入が少ないとしても実績を積めば、少しずつ収入も高くなるケースが多いので、最初は実績を積む期間と考える事も大切です。
単価の高い案件を探していない
クラウドソーシングだけでフリーランスの案件を探している方がいますが、クラウトソーシングで見つかる案件は、平均して単価が低い傾向にあります。
単価の高い案件を探す場合は、フリーランス向けのエージェントを活用した方が高単価の案件が見つかりやすいと思います。
当然、クラウドソーシングでも高単価の案件は存在しますし、他には無い案件も存在しますので、クラウドソーシングを否定するものではありません。
1カ所だけで仕事を探すのではなくて、いくつかの方法で案件を探した方が高単価の仕事が見つかりやすくなります。
また、クラウドソーシングを介さずにユーザーから直接受注する事も可能ですが、ある程度の実績・信頼が必要になります。実績・信頼を得るためにも、まずはエージェントなどを活用して長期間のプロジェクトに参画するのが定石です。
フリーランス向けのエージェントは書きで紹介していますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
最近はフリーランスのエンジニアが活躍しやすい環境が整ってきたと言われます。私と同じプロジェクトのメンバーである50代のベテランエンジニアの方も「フリーの技術者にとっては昔よりも大分良い時代になったよね。何よりも楽になった …
エージェントやクライアントと交渉を全くしていない
強気になり過ぎる必要はありませんが、エージェントやクライアントと最低限の交渉は必要になります。
特に自身を持っているスキルや、業務経歴を強みにして、多少は単価交渉をしてみても良いと思います。
※あまりにやり過ぎると、面倒なエンジニアと思われてしまうので適度に。特に案件の谷間などで打ち合わせをする機会があれば、単価についても話してみましょう。
ちなみに、フリーランスのエージェントを複数活用する事で、交渉がしやすくなります。他のエージェントではもっと高い単価を提示されている場合にはなおさら交渉がしやすいです。
いずれにしても、様々なプロジェクトから求められる人材になる事が大事なのは言うまでもありません。
結論
さて、なぜフリーランスのエンジニアは稼げると言われるのか?逆に稼げないとも言われるのか?について言及してきました。
記事を読んでいただければ分かったと思いますが、フリーランスのエンジニアが稼げるのか?という問いに対しては、
人による!
につきると思います。
答えになっていないと思われるかもしれませんが、本文を読んでいただければその理由は分かると思います。
フリーランスになる様な方は、稼げるか?稼げないか?という基準だけではなくて、自分の人生や目標と照らし合わせながら、選択をしています。
本文でも述べていますが、仮に収入が低くとも、自分に合ったライフスタイルを送って納得されている方はたくさんいます。
逆に、収入をとにかく高めたいフリーランスの方は、技術・業務スキルを高めて、エージェントやクライアントとも最低限の単価交渉をしている事が多いです。また、仕事の仕方を工夫して複数の案件を同時に進める方もいます。
自分自身が求めているものを明確にして、仕事を選択する事が大切です。