今回はフリーランスエンジニアが家賃を経費として計上する際の考え方・計上方法について解説します。
経費というのは、仕事をする上で必要な費用の事です。これは必要経費と呼ばれる事もあります。年に1回確定申告を行う際に所得を計算しますが、総収入から経費や控除を引いた金額が所得になります。経費を計上する事で所得を抑える事で節税対策にもなります。
フリーランスのエンジニアも家賃を経費として計上する事で、節税対策を行う事ができます。
ただ、一点注意があります。家賃を経費とするには条件が必要となります。また、基本的に家賃を全額計上する事もできません。経費の計算方法を間違えると脱税と疑われかねない事もあります。
ですから、経費とする際の条件や、家賃を経費とする際の計算方法についてしっかりと学んでおきましょう。また、家賃と併せて他にも経費とできるものもあるので、その点についても紹介します。
- フリーランスとして家賃を経費にできるのかを知りたい
- 家賃を経費にする際の計算方法を知りたい
「経費」という考え方はフリーランスにとってはとっても重要です!
家賃を経費とする際の計算方法を学んで活用してみてください。
最近はフリーランスのエンジニアの存在がごく当たり前になりました。エンジニアの仕事に限らず、ようやくフリーランスとして仕事をしやすい環境が整ってきたとも言えます。 会社員からフリーランスになる事で収入がUPしたり、自由なラ …
コンテンツ
フリーランスのエンジニアが家賃を経費にできる条件
まずはフリーランスのエンジニアが家賃を経費にできる条件についてご紹介します。
フリーランスが家賃を経費にできる条件は、自宅を事務所や仕事場として使用している場合です。
※ちなみに、レンタルオフィスの使用料もOK
実際に仕事で自宅を使っている訳ですから、立派な経費として計上する事ができます。逆に常駐型のエンジニアの方は自宅を仕事場としては使用していないため、基本的には経費とする事はできませんが、家でも仕事をしている場合は経費とする事ができます。
ただ注意も必要です。自宅で仕事をしていたとしても、家賃全額を経費として計上する事はできません。特に常駐型のエンジニアは家で仕事をする時間は限られているはずですので、経費にできる金額は相対的に少なくなります。
この点については次で詳しく説明します。
家賃を経費にする際の考え方
家賃を経費にする際は「按分」という考え方を使います。
※按分の考え方はエンジニアに限らず自宅で仕事をする方全てが使う方法になります。
「按分」の場合、家賃全てを経費にするのではなくて、使用している面積や、使用している時間を基にして家賃の一部を経費とする考え方になります。この適切な経費はフリーランスのエンジニアが自分で計算をしなければなりません。といっても、計算方法は難しくありません。
計算方法は一般的に「使用面積」か「使用時間」で計算をする事になります。家をどの様に使用しているかで最適な按分方法を適用すればOKです。
実際の算出例で按分方法を覚えよう
では実際の算出例から按分方法を見てみましょう。
【算出例1】使用時間で算出
家賃12万円の自宅を1ヵ月(30日)のうち20日、1日の中で平均8時間仕事に使用した場合は基本的に以下の3ステップで計上します。
①30日のうち20日使用⇒8万円(20日/30日)
②1日8時間使用⇒8万円×3分の2(8時間/24時間)=5万3300円
③5万3300円を経費として計上
※月によって日数が違ったり、日によって稼働時間も違うので、より細かく算出した方が尚良しです
【算出例2】使用面積割合で算出
家賃15万円の自宅で、50㎡のうち20㎡(4割)を仕事に使用した場合は、以下の計算方法で使用面積割合の4割を経費として計上します。
①家賃15万円のうち4割⇒6万円(20㎡/50㎡は4割)
②6万円を経費として計上
一般的な基準値を知っておく
上記の按分方法で経費を算出する事はできますが、一般的な基準値も知っておきましょう。仕事の時間や使用面積によりますが、一般的には3割~5割を超えない程度を経費とするケースが多いです。
5割程度になると、計算方法や根拠について詳しい説明や証明資料を求められる事がありますので、3割程度に抑えるという方もいます。
※とはいえ、実際に按分した結果、5割を超えるというのであれば経費とする事もできます。
経費にできるからと言って、基準値を超えるくらいの数値になると、目を付けられる可能性があるという事も知っておきましょう。ちょっと心配だという場合は税理士さんに相談をしてみる事もオススメします。
支払い証明書・算出根拠の証明資料を残しておく事
実際の支払い証明書と経費算出時の証明資料を残しておく必要があります。
これらの証明資料は確定申告をした後も7年間は保管しておく義務があります。もしも、税務調査があった場合にはこれらの証明書が存在していないと経費を証明する事ができません。
経費算出時の証明資料については、経費算出時の根拠(按分の考え方や、計算式など)を明記して残す様にしましょう。また、作成した年月日も記録しておくと良いです。
これらは重要な証明書になりますから、必ず保管しておく様にしましょう。
水道光熱費・通信費の考え方も基本的に一緒
家賃と同様に水道光熱費・通信費(ネット代)も経費として計上する事が可能です。ただ、水道料金は計上が難しい事もありますので、基本的には電気代と通信費が対象になります。
こちらも家賃と同様に按分をして経費を算出する事になります。特に問題が無ければ「家賃の按分方法と同じ」にするか、「使用時間」を基にして算出する事になります。
家賃の場合と同様に、支払い証明書や算出根拠となる証明資料などは作成しておき、7年間しっかりと残しておく様にしましょう。
まとめ
今回はフリーランスのエンジニアが家賃を経費計上する際の考え方について解説しました。
お伝えした内容を改めてまとめると以下の様な内容になります。
- フリーランスのエンジニアは家賃を経費にできるが条件や注意点がある
- 家賃は「使用面積」か「使用時間」を基に「按分」して算出する事が多いので、この方法で算出する
- 経費が一般的な基準値よりも高い場合は細かい説明を求められる事がある
- 支払い証明書と経費算出時の証明資料は7年間残しておく事
- 水道光熱費・通信費も同様の算出方法で経費とする事ができる
経費の考え方は家賃に限らず、フリーランスにとっては非常に重要になりますので、しっかりと押さえておきましょう。