STARフレームワークというものをご存じでしょうか?
転職活動において、求職者の考え方や行動、実績を挙げるための具体的プロセス等を伝えるための思考の枠組み・型です。
「職務経歴書」や「面談の回答内容」で、STARフレームワークを基に自分の答えを述べる事で、採用側との認識齟齬を減らし、転職を成功させる方が数多くいるのです。採用担当者もこのSTARで実績をアピールされると、求職者がどの様な人材なのかを掴みやすくなります。
さて、まずはSTARフレームワークのは何なのか?を紹介します。
- S ⇒ Situation(状況)
- T ⇒ Task(課題)
- A ⇒ Action(行動)
- R ⇒ Result(結果)
この流れで自分の実績を分析し、職務経歴書に落とし込み、面談でも回答できる様にする事で、転職の成功確率をぐっとアップさせる事ができると思います。
ではSTARフレームワークの具体的な中身について紹介します。
コンテンツ
STARフレームワークとは
S・T・A・Rそれぞれについて詳しく紹介していきます。
さらに、STARと併せてもう一つ大切な考え方もあるので、それも一緒に説明します。
S ⇒ Situation(状況)
Sは「Situation(状況)」の事です。
状況というと少し抽象的ですが、具体的には以下の様なものを指します。
- 予算1億円で期間は10ヶ月程度(規模・期限)
- 10名のチームでPLを担当していた(体制)
- 顧客と自社との付き合いは5年程度(ステークホルダーとの関係)
職務経歴書や面談では自分の実績をアピールする必要があります。
その実績がどの様な状況の中で生まれたのか?つまり実績の「前提」を共有しておく必要があります。Situation(状況)というのは「前提」と言い換える事もできます。
T ⇒ Task(課題)
Tは「Task(課題)」の事です。
Taskというとやるべき作業という印象を持ってしまいがちですが、この場合は業務上の明確な「課題」を指します。
- プロジェクトの期限が短いため、限られた期間の中で完遂する方法を考えなければならない
- キャッチアップしなければならない業務知識、スキルがある
- ステークホルダーから不信感があるので、信頼を得る方法を考えなければならない
- 新規ベンダーパッケージ導入における具体的な課題解決を考えなければならない
これらの課題は具体化をできている事が重要です。具体化をしなければ対策が分からないからです。
そしてこの課題が誰によって与えられたものなのか?も明確にしておくと良いです。顧客から与えられたのか?それとも自社からの課題なのか?自分で挙げた課題なのか?も明確にしましょう。
A ⇒ Action(行動)
Aは「Action(行動)」の事です。
与えられた状況と課題がある中でどの様な行動をとったのか?を明確に伝える必要があります。
- プロジェクトの期限が短いという課題に対して、作業改善を実施してスケジュールを遵守した。
- 週に1回勉強会を実施してスキルのキャッチアップを実施した。
- 顧客とのヒアリング回数を増やして後々の認識齟齬を減らす取り組みをした。
STARの中でも採用者が最も聞きたいポイントとも言えるかもしれません。
職務経歴書に記載した「Action(行動)」を基に面談での質問が出る事も多いので、なぜその様な行動を取ったのか?どの様に行動したのか?という具体的な内容はしっかりと説明できる様にしましょう。
R ⇒ Result(結果)
Rは「Result(結果)」の事です。
上述のAction(行動)の結果がどうなったのか?を正直に正確に表現しましょう。
- 作業改善の結果、残業時間が平均30時間⇒10時間に減った。
- 勉強会を開催した結果、全メンバーがテスト業務を完遂できる様になった。
- 顧客とヒアリング回数を増やした結果、顧客からの評価をもらった。しかし次期プロジェクトの予算は増えなかった。
結果を伝える事で、行動の有効性や再現性を明確に伝えられる様になります。
また、良い結果だけではなくて、予想通りにいかなかった結果についても正直に表現しましょう。全てが良い結果になる訳はありません。失敗した結果も正直に伝える事で、次の課題が明確に見える様になります。その点も採用担当者はしっかりと聞きたいと考えているのです。
オマケ 最後のS ⇒ Self Appraisal(振り返り)
この最後のSは「Self Appraisal(振り返り)」の事です。
これは本来のSTARフレームワークには含まれていません。しかし、転職情報を発信しているmotoさんなどが提唱している事でも有名で、こちらも含めるとよりSTARフレームワークが強化されます。
Self Appraisalは「Result(結果)」に対する自分の振り返りの事です。
- 作業改善により残業時間が減った結果は、今後も他の仕事で活かせると考えている。
- 勉強会の有効性が分かったが、もう少し勉強内容の体系化をすれば、さらにスキル強化ができたと考えている。
- 顧客からの評価をもらったが、次期プロジェクトの予算は増えなかったので、さらに高い評価を得るために施策を考える必要がある。
結果に対してどの様な振り返りを行ったか?で、今後の自分の取り組みや考えをより細かく伝える事ができます。
もしも採用が決まった場合、入社後にどの様な行動をするのか?もよく伝わります。
STARを活用した自己PRの作成と確認
ここまで紹介したSTARフレームワークを基に、自分なりに職務経歴書や面接時の自己PRの準備をしてみましょう!
そして、STARフレームワークを基にして作成した自己PRの妥当性についてもしっかりと確認する事をオススメします。自分の中では完璧なSTARの流れだと思っていても、他者にはあまり響かない結果になっている事も多々あります。
確認する方法としてオススメなのは以下の方法です。
- 自己PRの妥当性を自分で確認する
- 自己PRの妥当性を転職のプロに確認してもらう
それぞれについて、もう少し詳しく解説します。
自己PRの妥当性を自分で確認する
まずはSTARを活用して作成した自己PRを、自分で何度も確認してみて、妥当な内容かどうかを確認しましょう。
オススメなのは、一度自己PRを作成した後、数日空けてから確認してみる事です。
本当にSTARの流れに沿っていて、相手の心に響く内容であるかを何度も確認してみましょう。
自己PRの妥当性を転職のプロに確認してもらう
さらにオススメなのは転職のプロに確認をしてもらう事です。
自分の周りで人事を担当している知人か、転職エージェントのキャリアアドバイザーに自分の自己PRを伝えてみて、内容を確認してもらいましょう。実際に第三者に内容を確認してもらう事で、内容の矛盾点、分かりにくい点、パンチの弱い点等を指摘してもらう事ができます。
そして、その指摘を基に自分の自己PRの内容を修正してブラッシュアップを繰り返しましょう。
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まとめ
今回はSTARフレームワークについて紹介しました。
サイドおさらいをしてみます。
以下の流れで実績を明確に伝える
- S ⇒ Situation(状況)
- T ⇒ Task(課題)
- A ⇒ Action(行動)
- R ⇒ Result(結果)
さらに、最後に以下を加える事で、今後どの様に行動したいかも見えてくる
- S ⇒ Self Appraisal(振り返り)
採用の面談の際には、この型に当てはめて自分をアピールすると転職成功確率がアップすると思います。
さらに、転職時のミスマッチ(お互いに予想と違った…)という事も避ける事ができます。
STARに沿って自己分析を繰り替えす事で、自分自身の実績もしっかりと見えてきますので、ぜひ活用してください。