この記事では、IT業界の研究のためのIT業界内の分類について考えてみたいと思います。
※IT業界の分類というのは、「IT業界」をさらに細分化して〇〇業界、■■業界などと分けたものです。
例えば、一言にIT業界と言ってもどの様に業界分析をしたら良いかよく分かりません。業界分析をする上では、業界内の分類化が必須です。
※おそらく既にIT業界にいる人であっても、しっかりと情報を整理できている方は少ないと思います。
ネット上や書籍等を見てみると、IT業界の中で様々な分類化があります。これが混乱の大きな原因でもあります。それに、AIとかビッグデータとかキーワードだけが一人歩きをしていて、業界の実態が全くつかめません。
これらのIT業界内の分類を少しでも理解できる様にして、業界研究を進めるにはどうすれば良いか考えてみます。
- IT業界内の分類方法が分からない
- IT業界研究を実施したい
- IT業界で転職を考えている・現在転職活動中である
コンテンツ
IT業界の分類
IT業界内の分類について踏み込んで考えてみたいと思います。
ITとはInformation technology(情報技術)の略称ですから、簡単に言えば、情報技術を売りにしている企業は全てIT企業という事になります。イメージとしてはIT系の仕事と言えば「システムエンジニア」「ECサイト運営」「WEBサービス運営」等の仕事を連想するのではないでしょうか?
ただ、冒頭でもお伝えした通り、業界の中の分類は様々です。この分類をどの様に考えるかが今回のテーマです。
ちなみに、業界を細分化して分類ができる様になると、以下の様なメリットが生まれます。
- 自分にとって業界全体をイメージしやすくなる
- IT業界を細分化したり、分類化して考えられる様になると、業界全体の業務フローや、企業同士の繋がりが見えてくる
- 業界分類の考え方が的を得ていると、転職活動の面接等で良い評価をされる
⇒採用面談の中で「なぜこの業界なの?」「なぜウチの会社なの?」といった質問をされる事が多く、「業界」を理解していないとしっかりと回答できない
自分なりにIT業界の細分化・分類化をしよう
IT業界内の細分化・分類化は、自分なりに整理できればそれがベストです。
まずは、いくつか参考となる情報を確認して、以下の様な観点で分類化を行い、情報整理をしてみる事をオススメします。
- IT業界内の各企業の事業構造にどの様な違いがあるのか
- 各業界の過去・現状・未来の動向はどうなっているか
- 他業界との関連性はどうなっているか(金融・旅客・建築等)
- 業界毎にシステム開発の手法・求められる技術・経験に違いはあるのか
- 業界毎に業務内容はどの様に異なっているのか
ただ、何も知らない状態で自分でIT業界の分類化をしてみても、誤った分類化や、自分に合わない分類化になってしまっているケースがあります。
これでは業界の情報整理ができません。。。では、どんな情報を参考にすれば良いのでしょうか?
転職サービス・プログラミングスクールが整理した情報が参考になる
IT業界内の分類化をする際に、特に参考となるのは転職サービスやプログラミングスクールが発信している情報です。
転職サービス・プログラミングスクールいずれのサービスも業界情報をしていないと、以下の理由からユーザに適切なサービスを提供できません。
- 転職サービス⇒業界内の分類化ができていないと、求職者が求める仕事を紹介できない
- プログラミングスクール⇒スクール会員が求める技術を教える事ができない(企業への斡旋もできない)
流石に転職サービスやプログラミングスクールでは、業界分析の仕方を紹介している事が多くて、業界をしっかり分類化しています。サービス毎に分類が違いますが、正直どの分類化が正しい!というものではありません。それでも非常に参考になる情報が眠っています。
まずは転職サービスやプログラミングスクールで紹介されているカテゴリ分けを参考に、業界を様々な角度から見ていきましょう。
IT業界内の分類例
いくつかの転職サービスやプログラミングスクールで紹介されている「IT業界内の分類化」について、具体例を紹介します。
様々な分類方法がありますが、特に内容が分かりやすいものや、実態に沿った分類化になっているものを紹介します。
転職サービス「マイナビエージェント」のIT業界分類
大手転職サービスの「マイナビエージェント」は以下の様な分類化をしています。
- ソフトウェア業界
- ハードウェア業界
- 情報処理業界(SIer含む)
- WEB業界
この業界分類はシンプルで、誰にでも理解しやすいです。それぞれの業界の業務内容や、求められる技術が少しずつ異なっている事も分かります。
もしかしたら、ソフトウェアもSIerもWEBも同じ様な仕事じゃないの?と思う方もいるかもしれませんし、ある意味その通りです。実際に複数の業界に跨る仕事もあるので、スッキリとした分類化はできません。
ただ、特にIT業界の未経験者からすると、IT業界の全貌を理解しやすい業界分類の方法とも言えます。
※マイナビエージェントのIT業界紹介ページ(上記)を読むと業界全体像や、業務内容・職種等が分かりやすくなると思います。
※ちなみに、ここから「通信業界」という分類化を行う事も多いです。通信業と言われる企業は多数存在しますから、通信業だけで分類化する事でより細かい情報整理をしていると考えられます。通信業界と言われる企業に興味があるのであれば、通信業界も分けて企業分析を進めると良いと思います。
プログラミングスクール「テックアカデミー」のIT業界分類化
プログラミングスクールの「テックアカデミー」では以下の様な分類化をしています。かなり本格的な内容なので参考になります。
※業界の分類化というよりも、厳密には企業種類の分類化になりますが参考になります。
- 自社開発メインの企業
- SIer「元請けメイン」
- SIer「2次請けメイン」
■テックアカデミーの参考動画
参考URL:https://www.youtube.com/watch?v=21isXNDO4Sg
テックアカデミーで紹介されている業界分類は、もしかしたら少しマニアックな内容かもしれません。
ただ、SIer(元請け)とSIer(二次請け)で分けているのは、本当にIT業界の事を分かっている人の考え方です。非常にためになるので、SIerを目指す方は絶対に見ておいた方が良いです。同じSIerなのに、元請け・二次請けで何が違うのか?という観点で内容を確認すると、企業の違いがよく分かると思います。
IT業界の事が全く分からないという方だと、内容を把握するまでに少し時間がかかるかもしれません。ただ、ざっくりですが業界内の事業構造・収益構造・業界全体のビジネスフローもイメージできる良い動画です。
UZUZ就活チャンネルのIT業界分類化
就職サービスの「UZUZ就活チャンネル」というサービスでもIT業界(厳密にはエンジニアの業務内容)について詳しく紹介がされています。
UZUZ就活チャンネルさんの場合はIT業界というよりもエンジニアの分類をして、その分類毎に業務内容を紹介してくれています。IT業界の事を知るだけでは仕事のイメージはつかない事が多いと思います。〇〇エンジニアという仕事はこういう仕事をするのか?という観点で見てみると参考になります。
■UZUZ就活チャンネルのIT業界研究
参考URL:https://www.youtube.com/watch?v=g3KrK4dh_XE
結構長い動画なので、全てを把握しようとするとちょっと疲れるかもしれません。ただ、業務や職種、技術などについても深く言及しているので、「自分が何をしたいのか?」を明確にして、その上で業界分類をしたい場合は、しっかりと見ておくと参考になります。
分類化の考え方
冒頭でもお伝えした通り、(また、いくつか目を通していただくと分かると思いますが)各サービス毎に分類化の考え方は違っています。
なので、色々な情報を元にしながら、最終的に自分なりにIT業界の分類化ができる様になれば良いと思います。
自分なりに分類化する時には、以下の流れで進めると情報が整理しやすいです。
- IT業界の全体像をざっくりと掴む
- 自分が特に興味のある業界・業種に関連する部分は特に詳しく理解する
- 関連性のある業界についても理解を深める
上記を何度も繰り返すことで、IT業界全体がよく分かってくると思います。
特定の企業についても理解を深めると良い!
もし自分が興味のある企業が見つかったら、その企業がどの業界に含まれていて、どの様な業界と関わりがあるのかを知っておきましょう。そして、その企業のビジネスモデルや収益構造については、しっかりと理解を深めておきましょう。
・人件費で売り上げを上げる⇒技術習得がしやすい、グローバル化の中で売り上げを上げ続ける事はできるのか?最も人材不足と言われる業界。タイトなスケジュールのプロジェクトだと大変な事もある。つぶしが効きやすい。
・サービス、プロダクトで売り上げを上げる⇒特定の業種への理解が求められる、身に着けるIT技術は狭くなりやすい。
これらの内容も分析ができれば、各企業の事も深く知れる様になると思います。それに加えてIT業界の事もより深く理解できると思います。
まとめ
今回はIT業界内の分類化について紹介をしました。
この「分類化」というのは実は明確な答えがありません。
だからこそ、様々な所で様々な分類化がされているのだと思います。
重要な事は、自分が携わりたい業界が、IT業界全体の中でどの様な位置にいるのか?そして、どの様なビジネスモデル・収益構造になっているのか?という点を明確に理解できる様にする事です。これが自分なりに整理できれば、転職活動をする際に、自分が求める企業を探し出す助けになると思います。
そして、業界の分類化を自分なりに実施できれていれば、実際に面接を受ける際に「業界の事をよく理解できている」という評価ももらえると思います。
業界研究を進める上で、業界の分類化は必須になると思います。
業界研究というのは簡単ではありませんが、業界研究を行う過程で色々な事を学ぶ事ができますし、実際に就職・転職をした際に、業界の事を理解して仕事ができる様になると思います。