IT企業・ITエンジニアに転職する場合、当然ながら採用面接を受ける必要があります。
面接は練習が必須です。でも、、、転職となるとなぜか面接の予習をしない人が大勢います。新卒就職の際は面接練習を繰り返しているのに。。。
面接の流れや聞かれる質問を全然知らずに、面接を受けてはいけません。エンジニアは人材不足と言われているとはいえ、そんな事では希望する会社の面接に通りません!せめて最低限の面接対策をして、希望通りの企業に採用される様に頑張りましょう。
採用面談の大体の流れを理解し、質問される事をイメージしておくだけで、面接をパスできる確率を上げる事ができます。面接練習をしない人に差を付ける事ができてしまうのです。
今回は、面談の流れや質問される内容などについて紹介していきます。
ITエンジニアへの転職を検討している
- 転職の面接方法がしたい
- 転職の面接内容を予習したい
- 近々、面接の予定がある
- なぜ、面接でパスできないのか?を知りたい
コンテンツ
面接の大前提
まず、転職面接の大前提を確認しておきましょう。
求職者:採用されるために面接を受ける。
面接官:ニーズに合う人材を採用するために面接をしている。
当たり前でしょ。。。と思われるかもしれませんが、この大前提を忘れて面接を受けている人がたくさんいるのです。
面接は、求職者の過去の実績自慢をする場所ではありませんし、自分の考えを100%伝えられればそれでOKという場ではありません。あくまでも通過する事が目的になります。
視点がずれない様に、この面接の大前提は常に忘れない様にして下さい。
面接官は何を見ているのか?
面接者が採用するために見ているのは極論以下の3つです。
- 採用条件を満たしているか
- 入社後に活躍できるか(企業に利益をもたらすか)
- 企業に定着して長く働けるか
え、これだけ?と思われるかもしれません。でも、そのこれが面接官が見ているポイントなのです。
周りの人材エージェントや人事の方にも確認してみて下さい。おおよそ「その通り」と答えるはずです。
※実際に転職エージェントのキャリアアドバイザーや、企業の人事にも確認した内容です。
ただし、これだけでは少し抽象的ですよね。もう少しブレイクダウンして説明します。
採用条件を満たしているか
求人には採用条件があります。求人情報に募集要件というものが載っているはずです。
特に、エンジニアの場合は具体的なスキル(Pythonの実務経験3年、マネジメント経験2年などなど)が問われます。
最低限、採用ニーズを満たした人物であるかを確認し、ニーズを満たした人は次のステップに進む事ができます。
⇒「職務経歴」や「自己PR」に関する質問の中で採用条件を満たすスキル・経験があるか?について言及する必要があります。(詳細は後述)
※ちなみに、採用条件の捉え方(MUST条件、WANT条件)については以下を参考にして下さい。
企業の求人を見てみると「募集条件」として、 MUST(必須)条件 WANT(歓迎)条件 があります。この条件、当たり前ですが「すごく大事」です。 エンジニアの方で求人を見た事があるなら、「〇〇の経験3年以上、〇〇業の開発 …
入社後に活躍できるか
入社後に活躍できるかどうかは以下の様な基準で測られます。
- 企業に利益を与えられる人物か
- 周りの人達に良い影響を与えられるか、逆に言えば周りの人達の足を引っ張らないか
- 同業、同職種の場合は即戦力になれる人物か
活躍できる事を証明する方法については後ほど詳しく紹介します。
⇒「職務経歴」や「自己PR」に関する質問の中で活躍できるとアピールする必要があります。(詳細は後述)
会社に定着して長く働けるか
転職採用には多大なコストがかかります。ですから、採用側は会社に長期間定着できる人材を探します。
いくら優秀でも、すぐに辞めてしまいそうな人は採用しようとは思いません。企業に定着できる事をしっかりとアピールする必要があります。
定着できる事の証明方法については後ほど詳しく紹介します。
⇒「志望動機」や「転職理由」に関する質問の中で定着できる事をアピールする必要があります。(詳細は後述)
それ以外で採用側が見ている点
上記以外で採用担当者が見ているポイントは無いのでしょうか?
もちろんあります。例えば以下の様なものです。
- 見た目
- 話し方
- マナー
- コミュニケーション力
- キャリアプラン
- 柔軟性
これらはもちろん重要です。これらにすぐに対応するのは難しいと思いますが、余裕が出てきたら、様々な質問に受け答えをする中で、こららの点もアピールできる様になると良いでしょう。
転職の面接の流れ
まず、結論だけ言うと多くの面接が以下の流れで進みます。
- 面接開始(入室orリモート接続)
- 自己紹介
- 職務経歴
- 自己PR(職務経歴と一緒に聞かれる事も多い)
- 志望動機
- 転職理由
- 逆質問
- 面接終了(退室orリモート切断)
職務経歴~転職理由については少し順番が前後する事もありますが、問われる内容はほぼ同じです。
では、一つ一つ具体的に解説していきます。
面接の開始
面談の開始については、わざわざ見出しにする程ではないのですが、最初が肝心なので取り上げました。
オフライン面接(面接室入室)
オフラインの面接の時はおよそ以下の様な流れで開始します。
- 面接室に入室する際には、ドアを軽く3回ノックして、「どうぞ」と言われたら「失礼致します」と言って入室する。
- ドアの方を向いて、ドアを閉めます。(良く言われる事ですが、後ろ向きでドアを閉めるのはNG)
- 面接官の方を向いてお辞儀をする。
- 椅子の側に立ち、「座ってください」と言われたら、「失礼致します」と言って椅子に座る。
簡単な流れですが、最初は特に緊張しやすいので、予め段取りを頭に入れておきましょう。時間のある時にシュミレーションしておくと良いです。
オンライン面接(リモート通話の開始)
オンライン面接の時はおよそ以下の様な流れで開始します。
- Zoom等のビデオ通話用のIDのお知らせが来るのでログインしておく
- 面接時刻の10分程前に通話用のルームに入室しておく(通話は開始しない事!)
- チャットツール等で相手からメッセージが来るので応答するor開始時刻になったらこちらからチャットで連絡する
- 相手の顔が見えたら、軽く挨拶をして面接開始
オンライン面接については、2020年から一般化したため、具体的なルールが確立していない印象がありますが、失礼にならない様にという一点は忘れない様にして下さい。
自己紹介
オンライン・オフライン問わず、挨拶が終わったら、簡潔に30秒〜1分程度で自己紹介をする事になります。
最初の自己紹介はあくまで簡潔で良いです。「30秒~1分」で「大きな声」でという事をしっかりと意識しましょう。
あまりにしっかりと自己紹介しようとし過ぎて、長々と自己紹介するのは絶対にNGです。お願いした通りの行動ができない人と思われてしまいます。
また、声が小さい場合は元気の無い人と思われてしまうので、しっかりと声を張って話しましょう。
- 簡潔に30秒~1分程度で
- 長すぎるのはNG
- 元気良く大きな声で話す
「職務経歴」について
エンジニアの面接では職務経歴に関する内容がメインと言えるかもしれません(特に現場マネージャーが参加する面接では重要)。
職務経歴については話す時に意識しなければならないのは、上述の通り、「採用条件を満たしている事」と「転職後にどれだけ活躍できるのか?」を明確にアピールしなければならない事です。
※事前の職務経歴書の作りこみが重要になります。
ある意味、職務経歴書の善し悪しが面接にも影響してきます。企業の採用条件を理解した上で、アピールしたい点を職務経歴書に盛り込み、その内容を元に面談を進められると良いでしょう。職務経歴書に関する質問は予め想定しておき、スラスラと回答できる様にするのが理想です。特に一次面接は職務経歴書に関する質問の割合が大きいです。
また、単に過去の職務経歴や実績を話すだけではなく、転職後に活躍できる事、つまり過去の良い実績を再現する力がある事を論理的に説明する必要があります。これはその場で簡単に思いつくものではありません。事前に回答内容を練ってアピールできる様にしましょう。
これまでにエンジニア経験が豊富な場合は、現場で一体どの様な事を実践してきたのか?を具体的に話す事もあります。時には具体的な技術に話が及ぶ事もありますので、自分が携わった技術やマネジメント経験等については、あらためておさらいしておきましょう。
- 志望企業でどれだけ活躍できるのか
- 採用条件を理解した上でアピールしたい点を伝える(職務経歴書にも記載しておく)
- 実績を元に活躍できる事と、その再現性をしっかりとアピールする
■事前の職務経歴書の書き方はこちらを参考にして下さい。
今回はエンジニア向けの最強の職務経歴書の書き方!と題しまして、職務経歴書の書き方についてご紹介します。 「最強ってずいぶん、デカく出たな」と思われるかもしれませんが、本当に良い職務経歴書を記載するためのノウハウ・考え方を …
「自己PR」について
敢えて「自己PR」をして下さいと言われる事は無いかもしれませんが、自己PRは必須と考えた方が良いです。
※職務経歴書に関する質問の中でも自己PRを上手く盛り込む様にしましょう。
自己PRと言うと、自分がいかに優秀であるか?を語ろうとする人が多いのですが、実は「企業そのもの&採用条件と自分とのマッチ度をアピールする場」と考えた方が妥当です。採用条件は明確に出ているのですから、その条件をいかに満たしているのか?を伝える時間と考えましょう。
職務経歴だけでは伝えきれない自分の実績等もアピールしながら、いかにその企業に合った人材であるか?そして、自分にとって魅力的な企業であるか?を論理的に伝えられる様にしましょう。
- 志望企業と自分がいかにマッチしているかをアピールする
- 自分の優秀さを自慢する場ではない
- 職務経歴だけでは語れない自分のアピールポイントを明確に話す事
「志望動機」について
志望動機はなぜその企業に入社をしたいのか?を熱意を込めて話す必要があります。
上述の通り、面接官は「企業に定着する人材か?」を判断しようとしていますので、志望動機でそれに応える必要があります。
一般論で企業の強みを淡々と話すのではなくて、しっかりと気持ちを込めて志望動機をアピールする必要があります。また、この後の「転職理由」とも通じますが、「前の会社では実現できない事が実現できる」という事を伝える必要があります。
さらに言えば、長期的なキャリアプランがあるか?目先で新しい企業に入社する事だけを考えてはいないか?も判断されるので、どうしてもその企業に入りたいという位の気持ちをしっかりと伝えましょう。ここは論理的な回答だけではなくて、気持ちを伝える事が重要になります。
また、未経験分野に挑戦する場合は、その理由を語る事も大切です。そしてなぜその会社を選んだのか?さらに、未経験分野は良い点だけを見がちなので、悪い部分も理解した上で入社を希望している事も伝えられると良いでしょう。
- 企業に定着し、長期間働く気がある事をアピール
- 漠然とした志望動機はアピールにならない、熱意のこもった自分独自の志望動機が良い
- 未経験分野に挑戦する場合は、良い点だけではなくて悪い点も把握できている事もアピール
「転職理由」について
転職理由についても必ず問われる質問になります。
この質問に回答する事で「なぜ、前職を辞めた?or現職を辞めたい?」という疑念を解消しなければなりません。
気を付けなければならないのは、前職or現職に対して悪口や愚痴を言わない事です。この様な人は他の会社でも文句を言うのだろうと思ってしまいます。とはいえ、転職を希望している以上、何かしら辞めたい理由がある事は分かります。その点を理路整然と語る必要があります。
例えば、自分のしたい仕事がどうしてもできない会社だったため、というのは一つの正当な理由にはなるかもしれません。ただ、自分の目的を実現するために、何かしらの行動を起こしたのか?というポイントは見られると思っておきましょう。辞めたい理由を解消するために、前職or現職で行動した事があれば、それをしっかりと伝える必要があります。上司に相談する等の行動をしたけれども、どうしても実現できなかったという点まで話せれば、正当な理由と言えるかもしれません。
また、微妙な会社に勤めていたとしても、それを会社のせいにする様な言い方はダメです。あくまで自分の責任で会社を選び、仕事を続けてきたという気持ちを持っておく事が大切です。
- どうして、前の会社or現職を辞めたのか?正当な理由を話す
- 前職、現職に悪口は言わない事、会社のせいにはしない事
- 何かやりたい事があった時に、自分なりに状況を変える努力をしたのか?
- 前職or現職の会社を選んで仕事をしてきたのは自分だという自己責任感が大事
「逆質問」について
面接を受けているとこの逆質問の時間も必ず設けられると思って良いです。
聞く事がないので特にありません。と答える方もいるのですが、逆質問の中で企業への興味の度合いを測る意味もあるので、逆質問をした方が評価は良くなる傾向にあります。
とはいえ、的外れな質問をすれば、悪い印象を与えかねません。ではどうすれば良いのでしょうか?
逆質問のオススメ例としてよく上げられるものを活用するのが無難に感じます。しかもこれらの質問は求職者自身も聞いておくと後々タメになります。
面接官自身の意見を聞く⇒仕事をしていてやりがいを感じる所は何か?活躍している人材はどんな人だと思うか?など
自分の考えが合っているかを聞く⇒将来的に〇〇事業に力を入れようとしている様に感じられるが合っているか?(情報収集が前提)
「面接官の意見を聞く」というのは重要なポイントです。面接官自身に興味を持つ事を伝えられると印象が良くなる傾向にあります。ただ、たまに興味を持たれる事を嫌がる方もいるので、「差し支えなければ」というスタンスが大事。
また、転職面接の場合は現場マネージャーの人が面接に参加している事があります。その場合は、ネット等では得られない、現場の仕事に対する質問を投げると良いです。
逆質問は最後に設定される事があるので、この時点で自分がアピールしきれない事があれば、その点も上手く盛り込めると良いのですが、無理にアピールし過ぎると、焦った印象を与えてしまうので、どうしても!という内容でなければ、無理はしないのが無難です。
企業への疑問を取り除いてもらうと共に興味の度合いを測っているので、逆質問はするのがベター
面接官自身に興味を持って質問をすると良い(他では得られない情報)
面接の最後のやり取りになるが、焦りすぎで色々聞きすぎるのはNG
面接の終了
面接の終了時も大切です。最後のイメージというのは印象に残るからです。
その後の終了方法はオフライン・オンラインで異なりますので、それぞれに分けて紹介します。
面接に対する感謝の意を伝える事と、最後まで緊張を切らさない事が大切です。
オフライン面接の場合(面接室退室)
オフラインの面接の場合は、以下の様な流れで進みます。
- 「本日はお時間をいただきありがとうございました。」と言って椅子から立つ
- ドアの方に向かって歩き、ドアの前で再度面接官に「失礼致します」と退出の挨拶をする
- ドアを開けて退出し、静かにドアを閉める
最後まで気を抜かない様に気を付けて下さい。緊張がほぐれたり、焦って出ると微妙
オンライン面接の場合(接続を切る)
オンライン面接を終了する場合は以下の流れになります。
- 「本日はお時間をいただきありがとうございました。」と言って面談に対する感謝の意を伝える
- 企業側が接続を切るのを待つ(大事)
- 自分も接続を切る
面接の後は簡潔で良いのでメールでも感謝の意を伝える様にするとベターです。
※転職エージェントを活用している場合は、メールの有無等は事前に相談しておきましょう。
まとめ
今回はIT企業・ITエンジニア向けの転職面接の流れを紹介しました。
- 入室orリモート接続開始
- 自己紹介
- 職務経歴について
- 自己PRについて
- 志望動機について
- 転職理由について
- 逆質問
- 退室orリモート接続終了
読んでいただいて分かると思いますが、IT企業に限らず、一般的な転職にも活用ができる内容になっています。
フリーランスの方のプロジェクト面接でも活かせるはずですので、フリーランスの方にも参考にしていただきたいです。
しっかりと面接の準備をして、他のライバルから一歩抜きに出られる様にしっかりと面接準備をする様にしましょう。周りの友人や転職エージェントの方と模擬面接をする機会があれば、ぜひその機会を活かして、良い面接ができる様に備えましょう。