IT系・エンジニアに転職する方向けに転職時の情報収集の仕方について紹介します。

IT業界を目指す時点である程度の情報リテラシーを持っている方が多いと思うので、「そんなの知ってるよ」と思われるかもしれませんが。。。

ただ、いざ転職活動のために情報収集をしてみると、「どこで」「どの様に」情報を収集すれば良いのか?ってのは意外と分からない事があります。

IT業界・エンジニアへ転職する際のオススメの情報収集の仕方を紹介しますので、ぜひ参考にして下さい。

この記事は以下の方を対象としています

  • IT業界・エンジニアへの転職準備中
  • 転職したいが、どの様に情報収集したら良いか分からない
  • 自分なりに情報収集しているが、他の方法があれば知りたい

情報収集

具体的に転職のための情報収集の方法をご紹介します。

ちなみに、以下の順番で情報を得る事を意識すると、情報が整理しやすいかなと思います。

おすすめの情報収集の順番

  1. 業界の情報収集 ⇒ ITに関連する業界にはどんなものがあるのか?どの様な課題を抱えているか?
  2. 職種の情報収集 ⇒ IT系・エンジニアの職種にはどの様なものがあるのか?
  3. 企業の情報収集 ⇒ 企業ごとにどんな特徴を持っているのか?業界の中で勝ち抜くための課題とは?
  4. 自分の仕事の情報収集 ⇒ 企業の中での自分の役割はどの様なものか?

ただ、大抵の場合、これらの情報は混ざり合っています。ですから、綺麗に1⇒2⇒3⇒4と情報収集するのは難しいでしょう。

ですから、目の前にある情報が上記の中でどれに当たるのか?を意識しながら情報を収集する様にしましょう。

あまり多くの情報を整理するのが得意では無い。という場合は、まずは「1」の観点だけで情報収集をして、次に「2」「3」「4」の観点で情報を収集すると良いと思います。観点を変えるだけで、同じ情報に触れていても、違う情報として受け取る事ができる様になります。

自分自身の希望とも相談しながら、自分にマッチした仕事を探していきましょう。

では、具体的に情報収集方法についてご紹介します。

エンジニアのブログ

エンジニアが運営しているブログを覗いてみると、ブログ運営者やその友人とのエンジニア実録が綴られていたりします。「同じエンジニアでも○○の業種が良い、○○の職種の方が良い」なんて言葉も挙がってきます。
※最近はQiitaにも様々なエンジニアの情報が載っています。

実際に現場で活躍しているエンジニアの言葉であれば非常に参考になるので、IT・エンジニア業界の情報収集には良いと思います。

得られる情報・情報収集のコツ

  • 「エンジニア ブログ」という様に検索エンジンで検索してみると、実際のエンジニアのブログがいくつも見つかる
    ※実際の現場の話を詳しく綴ってくれている方のブログがオススメです。
  • さらに「WEBエンジニア ブログ」「インフラエンジニア ブログ」といった検索をすると、職種別のエンジニアブログが見つかる
  • 最近だとQiitaに自分の経験を載せられているエンジニアも多いのでQiitaも参考になる
    ※Qiitaのページの中でも検索ができるので、「○○エンジニア」といったキーワードで検索してみると色々な情報が出てきます

ブログの執筆者がどの様な業界にいるのか?どの様な職種に就いているのか?企業は?役割は?という風にブレイクダウンして情報を得る様にすると良いと思います。

SNS(個人&企業公式)

エンジニアのブログと似ているかもしれませんが、SNSでIT業界で働いている方やエンジニアの日記、つぶやきを見てみるのもオススメです。

エンジニアのブログよりも、「より個人的な見解」的な情報が多いですが、それこそが良い情報になる事も多いです。

また、SNSは個人だけではなくて、企業SNSなどもあり、企業の内側をどんどん情報発信しているケースもあります。それらの情報を見ているだけでも、仕事の内容や面白い部分、辛い部分がよく分かります。
※辛い部分はそのまま企業が抱える課題にもなります。その課題を解決できる自信があれば転職活動などでアピールできます。

実際に企業に勤めなければ分からなかった様な事も分かるので、タメになります。

得られる情報・情報収集のコツ

  • 特定の業界・職種・企業に勤める人の日記やつぶやきが見れる
    ⇒コンプライアンスにふれない程度に、勤めている会社の事を教えてくれる方は結構います。理想となる様な人を見つけてSNSをウォッチしてみると良いかもしれません。
  • 企業SNSを見ていると具体的な仕事内容がイメージできる
    ⇒企業が用意するSNSでは意外と会社の裏側に関する情報を発信しているケースがあります。興味のある企業があればSNSが無いか確認しましょう。
  • 仕事の面白い部分、つらい部分が分かる
    ⇒例えばTwitterで様々なつぶやきを見ていると、つぶやきをしている方が、仕事のどんな部分を面白いと思っているのか?つらいと思っているのか?がよく分かります。

SNSの情報には偏りがあります。ですから、「業界」「職種」「企業」「役割」等々、観点を決めた上でピンポイントで情報を集めるのがオススメです。

本(書籍・雑誌)

書籍、雑誌で情報を収集する事も有効です。

WEBの情報と比較すると、どうしても最新のアップデート情報が遅れてしまう傾向にあります。ただ、書籍や雑誌は体系立てて詳細な情報が載せられている事が多いので、業界の事を深く知るためには非常に参考になります。

得られる情報・情報収集のコツ

  • 技術情報・職種情報・企業情報などが体系立てて分かりやすく載っている
  • ネット上の情報は誰でも知っているものが多いので、情報収集しておくと面接等でライバルに差を付けられる

本で情報収集する際は技術情報・職種情報・企業情報に分けて考えると分かりやすいです。少し詳しく説明します。

技術情報の収集

技術情報の収集が目的であれば、書籍よりも雑誌の方が個人的にはオススメです。書籍よりも最新の情報が載っているので、最新技術情報の収集に活用されている方は非常に多いです。ネットにはなかなか載っていない技術について特集されている事もあるので参考にされると良いと思います。

定番なのは「日経ソフトウェア」あたりでしょうか。(定番過ぎる?)
※最近はPythonに関する特集が結構続いていますが、様々なトピックがあり、その中で最新技術の情報も得られます。

ネットに比べると情報の精度も高いので、転職活動時にエンジニア関連の雑誌を購読しておくと意外と参考になります。転職活動時の面談でエンジニア関連の情報収集はしていますか?と聞かれる事もあるので、情報として持っておくだけでもタメになります。

矛盾しますが、書籍でしか得られない情報もあります。特定の技術に関する体系的な知識。これは雑誌よりも書籍の方が抜群に情報の吸収量があると思います。

業界情報の収集

日経ソフトウェア等々のエンジニア向け雑誌を読むのもいいのですが、業界について勉強をしたければ、ビジネス系の書籍や雑誌を読んでみるのが良いです。ITに関する知識だけを身に付けても、なかなか業務知識というものは得られません。

少し、ITの世界を飛び出して、金融・建設・小売業などの他業種の仕事の内容を知る事で、様々な業界に明るくなり、その中から自分が興味を持てる業界を見つけられるかもしれません。

先程「日経ソフトウェア」の名前を挙げましたが、「日経ビジネス」という書籍もあるので、こちらも読んでみると、様々な業界の仕事内容がよく分かると思います。

企業個別の情報収集

業界のみならず、企業個別の情報を収集するのであれば、東洋経済新報社が出版している「会社四季報」「就職四季報」がオススメです。

会社四季報については投資家にも人気の書籍で、株の投資をしている方にとってはバイブルの様な書籍です。事業の方向性や業績等を見るには非常に参考になる書籍です。多少の会計知識なども必要になるので、読み解くのは若干難解に感じる方もいるかもしれません。

■会社四季報
会社四季報 2021年 2集 春号

就職四季報については企業の平均年収・離職率・平均残業時間等の情報がしっかりとまとまっており、これから転職を考えている方にはぜひ参考にしていただきたい内容です。

■就職四季報
就職四季報 総合版 2022年版

転職サイト

業界・職種・企業情報を収集する上で最も参考になるのは、やはり転職サイトかもしれません。転職サイトでは、業界別、職種別、技術別といったカテゴリで検索ができるので、楽に情報が収集できます。

得られる情報・情報収集のコツ

  • 持っている技術(言語等々)により、自分が応募できる業種、職種に関する情報が得られる
    ⇒Rubyが使えるならWEB業界のシステムエンジニア、C#が使えるならゲーム業界で企画・設計・Unityによる製造等々
  • 各業界・各職種のエンジニアの仕事内容に関する情報が得られる
    ⇒業界・職種毎に求人検索できるので、検索している内に段々詳しくなってきます
  • 特に興味のある会社があれば、企業情報を収集できる
    ⇒「この会社だったら働くのもいいかも。」と思う会社があったら、事業内容、採用情報、財務状況などについて色々調べてみましょう
  • リモートワークがしやすい業界・職種について理解が深まる
    ⇒リモートワーク可能な求人を検索してみると、WEB業界はリモートも可の企業が多い事が分かると思います
  • 先輩エンジニアの仕事内容を特集している事があるので参考になる
    ⇒転職サイトでは企業毎のページだけでなく、転職体験談等のページもあるので、そちらも参考にしてみましょう

転職サイトで目ぼしい企業を見つけた後、企業ページで企業に関する詳細な情報を収集すると、転職後のイメージも付くと思います。

様々な転職サイトを見比べてみると、同じ求人であっても、掲載する転職サイトによって内容が少し異なる事もあります。時期のズレによって求人内容が変わるケースがありますが、各転職サイト毎に掲載するポイントを変えている事があるのです。

この辺の背景まで理解する必要はありませんが、気になった企業などがあったら、一つの転職サイトだけではなくて、他の転職サイトでも同じ企業を検索してみると、得られる情報が多くなります。

この後で紹介する転職エージェントとも併せて、オススメの転職サイト・転職エージェントをまとめた記事がありますので、そちらも良ければ確認してみて下さい。

企業の求人情報から得られるものは多い!

転職活動では必ず求人情報を見る事になると思います。

様々な企業の求人情報を見ていると、その企業はもちろん、業界や職種で必要とされる人物像も理解できてきます。

これは面接の自己PR等でも必ず必要になる情報なので、しっかりと情報を収集して自分の中で整理できる様にしましょう。

転職エージェント

転職エージェントも転職サイトと得られる情報は同じ様な内容です。

ただ、職務経歴書を書き始めていたり、ある程度準備が進んでいるのであれば、ITに特化した転職エージェントで一度カジュアル面談を受けてみるのもアリです。そうする事で自分にマッチした業界・職種・企業がより明確になると思います。エージェントに相談する前と後ではIT業界の見え方が全然変わる、というのはよく聞く話です。

カジュアル面談では、IT業界の転職のプロから業界・職種・企業についての情報を直接教えてもらえるので非常に参考になります。転職はしたいけれど、正直どの業界に行けばいいのか?どの職種に就けばいいのか?よく分からないという場合は、エージェントでカウンセリングを受けてみると良いと思います。無料ですし、しつこく勧誘される様な事もありません。

得られる情報・情報収集のコツ

  • IT転職のプロが自分にマッチした業界・職種・企業についてアドバイスをくれる
    ⇒多くの人の転職サポートをしているので、経歴や今後のキャリアプランを基にマッチした企業などについてアドバイスをくれます。
  • 転職後の想定年収を教えてくれる事がある
    ⇒特定の技術、資格、実績を持っていれば、おすすめの企業や、およその年収を教えてくれる事があります。
  • 今後のキャリアプランについて相談をする事ができる
    ⇒現時点でキャリアプランが明確でない場合でも、「こんなキャリアはどうでしょうか?」と教えてくれます。

とにかく様々な転職希望者を見ているプロなので、どの様な企業に転職すれば良いのか?もしくは転職しない方が良いのか?についてアドバイスをくれる存在です。

また、転職エージェントに相談をした際は面談者の反応も見ておきましょう。エージェント担当者が前のめりになる様であれば市場価値の高い人材として見られている可能性があります。あまり反応が良くなければ希望内容やスキルがマッチしていない可能性があります。その場合は、率直に「どうすれば市場価値が高まるか?何か足りない経験、スキルは無いか?」を聞いてみましょう。

オススメの転職エージェントについては、こちらの記事も参考にして下さい。

■オススメの転職サイト&エージェント

企業の公式HP

転職サイトなどを閲覧していて、気になる企業が出てきたらぜひHPを見てみましょう。転職サイトと重複する内容もあるかもしれませんが、企業HPを見てみる事で転職サイト等では得られない情報が見つかる事もあります。

得られる情報・情報収集のコツ

  • 企業理念
    ⇒その企業が目指しているものがよく分かります。単なる建付けなのか?本当の理念なのか?を厳しく見てみましょう。
  • 企業規模、社員数
    ⇒企業規模、社員数と安定性はある程度比例します。逆に社員が少ない会社であれば裁量が大きいというメリットもあります。
  • 上場の有無
    ⇒上場企業の方が福利厚生面は良い傾向にありますが、非上場の方が自由な経営をされている事もあります
  • 福利厚生
    ⇒具体的にどの様な福利厚生があるのかを厳しく判断しましょう。企業独自の社会保障などが付いているとポイントアップです。
  • 残業時間
    ⇒企業HPにはあまり語られていないかもしれませんが、「残業の少ない会社です」といった情報が載っている事があります。
  • 社員の声
    ⇒企業によってはHP上に社員の声(ブログやインタビュー)が載っている事があるので参考になります。

様々な企業のHPを見ていると、効率的な情報収集の仕方が自分なりに掴めると思います。

企業情報に限らず、企業HP内には様々な情報が載っているので、興味のある企業についてはしっかりと情報収集をしてみましょう。

社長が有名な方であれば、別サイトでインタビュー記事などもあるかもしれません。そちらも目を通しておくと、企業の考え方や抱えている課題などを把握する事もできます。これらは、面接の際にもネタとして活用する事ができますし、何よりも実際に仕事を開始した際の自分の仕事の仕方がイメージできる様になります。

まとめ

今回はIT業界・エンジニアへの転職希望の方向けの情報収集の仕方についてご紹介しました。

記事のまとめ

  • エンジニアのブログ
  • SNS
  • 本(書籍・雑誌)
  • 転職サイト
  • 転職エージェント
  • 企業HP

転職をする前に様々な所から情報を収集して、失敗しない転職ができる様にしたいものですね。

一つ要注意なのは、色々な情報を見すぎて何が正しい情報なのか?が分からなくなってしまう事がある。という事です。

情報はしっかりと整理をしながら、自分にとって必要な情報を選択する様にしましょう。仮に他の人にとっては非常に有益な情報でも、あなたに取っては無価値な情報も結構あります。

自分の目的と照らし合わせながら、あまり情報に流されず、自分なりの転職活動をする事が大事です。