私は、これまでにプロジェクトマネージャとして、200人以上のプロジェクト参画者の面談を行ってきました。
企業の人事面談者や、エージェントの担当者に比べれば面談した人数は全然少ないと思いますが、プロジェクトマネージャやチームリーダーとして、プロジェクトの立ち上げ・増員時に色々な方を面談してきたと思っています。今回はその観点で、どの様な人を採用したいかをお伝えしたいと思います。
※友人、知人でプロジェクトマネージャ・チームリーダー・採用等の経験がある方にもどの様な人を採用したいか?をヒアリングをしています。自分本位の意見ではなくて、共通意見として出たものだけを伝えたいためです。
プロジェクト参画者の採用面談に関する内容なので、企業採用やエージェント面談を検討中の方は少し観点がずれるかもしれませんが、ここで紹介する事は最低限気を付けておいた方が良いと思います。
(採用担当者はもっと厳しい目を持っているかもしれません)
企業面談を受ける方にも参考になると思いますし、プロジェクト面談を受ける方にとっては結構参考になる話かなと思っています。
私に人を見る目があるかは正直分かりません。。。
でも、様々なエンジニアを面談してきた経験談は結構参考になるのでは?と思います^^
コンテンツ
表面的な書類や面談だけでは分からない事ばかり
今回、わざわざこんな話を記事にしたのは、世間で紹介されている面談対策や職務経歴書の書き方だけではカバーできない事がたくさんあるな~。と思うからです。
何十人もの人をプロジェクトとして採用してみて、
「この人失敗だった~。。。」と思った事もありますし、
「この人思ってたよりも活躍するな」と思った事もあります。
当然ですが、活躍できる人を採用したいと思っています。
これらの経験を経て、表面的に「職務経歴書」や「面談」で人を観るだけでは何も分からないと思う様になりました。きっと同じように感じているマネージャ・リーダー・採用担当の方はたくさんいるはずです。
それでも、採用時は職務経歴書と面談で判断をしなければならないケースが大半です。
ですから、採用時に確認をしなければならないポイントをしっかりと持つ様になりました。そうする事で大きな「見誤り」が減りました。逆にこのポイントを押さえていれば、面談をパスする可能性は高くなると思います!
採用のプロセス
採用する側は職務経歴書や面談で何を読み取ろうとしているのでしょうか?
詳細は後述しますが、「プロジェクトを成功させるために必要な人材を確保したい!」これに尽きると思います。
嫌な話になるかもしれませんが、まずはプロジェクトで活躍できない人を「足切り」する所から始まる事が多いです。
その後で、本当に必要な人材を選別します。
10人の応募があれば、その中で5人に絞り、その中から3人を絞るというプロセスです。
つまり、採用する側としては、まず、この人は「ダメそうだな。。。」と思う人を見極める事が肝心です。
どうしても参画したいプロジェクトがあったら、(当然の事ですが)職務経歴書をしっかりと記述して、面談でも自分をしっかりとアピールする事が大事です。
今は「ITエンジニア」はどこでも求められるから、プログラミングさえできれば仕事は選び放題なんて考えを持っていては、本当に参画したいプロジェクトには参画できない位に思っておいた方が良いです。
プロジェクトの成功に貢献できる人間だからこそ「仕事は選び放題」のエンジニアになれるのだと思います。こんな事を言うと腰が引けてしまうかもしれませんが、しっかりと仕事をしていればプロジェクトに貢献できる人間にはなれますのでご安心を。
企業の採用担当者とプロジェクトの採用担当の違い
面談時は良いと思ったけど、プロジェクトに参画してみたら「全然違う。。。」なんて人は結構います。
色々な人を面談する内に、少しずつ見極めができる様になってはきますが、それでも見極めるのは全然無理です。。。
何万人という人を面談してきた企業の採用担当者でもそれは無理でしょう。
だからこそ、実際に仕事をした時に一緒に仕事ができそうかなと思う人をしっかりと見極めようと努力はします。人事を担当している友人に聞くと、採用担当者は面談している人物と一緒に仕事をする事は少ないので、そこまで見極めようとはしないらしいです。
そういう意味では企業の採用担当者と、プロジェクト参画時の面談者(プロジェクトマネージャやリーダー)は少し違う観点を持っている事になります。
プロジェクトの採用面談においては「この人と一緒にしたいな」と思わせる事ができるかどうか?が大事だと思います。
プロジェクトが求めるITエンジニアの条件
具体的にプロジェクトが求めているITエンジニアの条件を紹介します。
スキルがマッチしている事
これは当たり前の事ですがスキルがマッチしているかどうか?はしっかりと判断します。
採用側は使用言語、OS、DB等の経験がバッチリとマッチしている人を採用したいと思っています。
※単にこの仕事がやりたい!という意欲だけで採用するのは厳しいです。
参画したいプロジェクトがあったら、そのプロジェクトに求められるスキルが何なのか?を事前に把握して、そのスキルを身に付ける必要があります。
ただ、現実的に完全にはマッチしない事が多いです。。。
言語スキルがマッチしていても、フレームワークやDBの経験まで完璧にマッチしている人はなかなかいません。それはそれでしょうがありません。その場合は、仮に欠けているスキルが何なのか?を把握して、それを独学でも勉強している事をアピールすると良いです。
ちなみに、自分が持っているスキルとプロジェクトが求めるスキルが乖離している場合は、正直にスキルが合っていないと伝える事も大事です。無理をしてプロジェクトに参画できたとしても、その後でお互いに困る事になります。
開発工程の流れを理解している
昨今はコーディングさえできれば、どんな開発現場でも行ける!と思っている方もいます。
でもそれは間違いです。
プロジェクトマネージャが欲しているのは開発工程の流れをよく理解していて、自分が貢献できる工程や具体的な作業を自分で理解できている人間です。
コーディングができるだけでは、任せられる工程は「製造・単体テスト・結合テスト」位になってしまいます。しかも、おそらく細かい指示が無いと動けない人材と判断してしまいます。
開発工程の流れというのはWEBで情報を収集したり、書籍等を読めば基本的な事は分かるはずですので、しっかりと理解をしておきましょう。もちろん現場経験が無ければ具体的な作業イメージはできません。その時はまずは製造やテストの工程のみなら可能という事を伝えるべきです。
最低限のコミュニケーションが取れる
これはよく言われる事ですが、コミュニケーションが取れるというのは本当に大切です。
よく勘違いされるのですが、「コミュ力がある人」を求めている訳ではありません。
仕事に必要な最低限のコミュニケーションが取れればそれでOKです。
これもよく勘違いされますが、
- おしゃべり好きの人=コミュニケーションが取れる人
- 話下手の人=コミュニケーションが取れない人
ではありません。
話すのが苦手だったりしてもそれは問題ありません。
大事なのは「聞かれた質問に対して回答する事」と「自分の考えを伝えられる事」です。つまり「意思の疎通」です。
聞かれた質問とは見当違いの回答をする人は結構多いです。そして、そういう方はプロジェクトに参画してもコミュニケーションが原因で仕事に支障をきたす事が多いです。
もしも、質問の意味が分からない場合は、〇〇という事でしょうか?と聞き返せば良いのです。
質問の仕方が悪い場合も結構あります。〇〇という事でしょうか?と聞き返されれば質問の仕方が悪かったと気づきます。
※それを疎ましく思われたら、採用者に問題があります(笑)
プロジェクトの課題を探している
参画しているプロジェクトにどの様な課題やリスクがあるのかを探そうとする姿勢は、好印象に移ります。
※当然ながら、あれこれ口を出すと嫌がられますが。。。
「この様なプロジェクトであれば、この様な問題があるのではないでしょうか?私はこの様な事ができるので、プロジェクトの成功に貢献できると思います。」と伝えられる位にプロジェクトの課題を探す様にしましょう。
また、それまでの実績から、自分が課題解決をした経験談なども伝えられると良いです。
そうする事で、自分が求められる事がクリアになってくると思います。
ただ、プロジェクト参画者を否定する様な言い方はしない様に気を付けましょう。
やる気・気合いを表現してくれる
条件だけを気にして、プロジェクトに対するやる気や気合いを伝えてくれる人は減っている様に感じます。
ベテランの方々に言わせると、そういう方は圧倒的に減っているとも言います。。。
KKD(勘・経験・努力)はもう古い。とも言われますが、最低限のやる気や気合いは伝えるべきです。
いわゆる「気持ち」を伝える事がすごく大切です。
※当然ですがKKDだけだと、ちょっとヤバいと思われてしまいます。
実際にプロジェクトに参画した時に、やはり最低限のやる気や気合いのある人は成長が早いです。
自己管理力がある
今までは、あまり重要視されなかったらしいですが、エンジニアには自己管理力が必須だと思います。
少なくとも自分自身のタスクの進捗管理くらいはしっかりとできる様にしましょう。
この人は「自分のタスクを管理できて、問題が発生した際はしっかりと相談してくれる人だ。」と思われれば好印象です。
特に、自己管理力が乏しい人が多いので、スキル面で弱いと感じている場合は自己管理力をアピールすると良いです。
ちなみに、自己管理力が無いと感じるのであれば、それを正直に伝え、どの様に管理すれば良いのかを聞く事も大切です。
こんなITエンジニアはNG…になりやすい
上述のプロジェクトが求めるエンジニアの条件の裏返しになりますが、こんなエンジニアはNG(足切りされる)についても紹介しておきます。
職務経歴を詳しく語れない
面談時には職務経歴書について詳しく聞かれる事になると思います。
様々な質問があると思いますが、その際に職務経歴について詳しく語れる事ができないと印象が悪いです。
自分が経験してきた事については誰よりも詳しく語れるようにしましょう。
特に、面談するプロジェクトに関係する職務経歴についてはしっかりと語れる様にしましょう。
コミュニケーションが苦手すぎる
コミュニケーションが苦手するのは致命的です。。。
既に上述している通り、コミュニケーションが上手になる必要はありません。
最低限、質問された事に答える事。これが大事です。
質問されている内容が分からなければ、〇〇という質問で合っているしょうか?と質問してOKです。
やる気が感じられない
正直、やる気が全然感じられない人は一定数いらっしゃいます。
たぶん、本当にやる気が無いんだろうなと受け取ります。
お互いのために、採用は見送ろうと考えてしまいます。。。
新たにプロジェクトに参画するのですから、やる気はしっかりと伝える様にしましょう!
マイペース過ぎる
エンジニアは独創的な人が多いのでマイペースな方が結構います。
※フリーランスの人も多いというのもあるかもしれません。
ただ、仕事に支障をきたしそうだなと思ったら、採用はしないと思います。
多少のマイペースは良いですが、プロジェクトの一員として仕事をして、プロジェクトに貢献できる人間なんだという事を伝える事が大事です。
まとめ
今回はプロジェクトが求めるITエンジニアについてご紹介しました。
プロジェクトによって、当然基準も異なると思いますが、今回紹介した内容はどのプロジェクトでもある程度当てはまる内容だと思います。
最近は、転職活動時に、人事部の面談の他にもプロジェクトマネージャが面談の一員になるケースも多いです。
それに、フリーランスエンジニアの方がプロジェクト面談を受ける際には、正に参考にしていただけるのではないかと思います。
今回ご紹介した内容を前提にして、自分が志望動機や、アピールポイントをしっかりと伝える事ができれば、プロジェクトの面談をパスする可能性は高まると思います。