今回は国家資格である情報処理試験「プロジェクトマネージャ試験」についてお話します。

細かい学習法などは公式サイトや他サイトでも数多く紹介されていますので、個人的にピックアップしたい点に絞って解説しますね。

この試験は企業のエンジニアの方、もしくはフリーランスの方、経営者の方など、様々な立場の人からも人気がある資格です。

プロジェクトマネージャ試験を取得するメリット

さて、プロジェクトマネージャ試験に合格する事でどの様なメリットがあるのでしょうか?

試験の中身をうんぬん語る前にメリットが知りたいですよね。これまでにかかわった会社、現場、SE仲間に話を聞き、個人的な意見も含めてまとめてみました。

プロジェクトマネジメントの知識が身に付く

資格試験と実務は別。という話をよく聞きますが、エンジニアの世界において、この資格の内容は実務でも十分に役に立つと思います。実務に基づいた問題が数多く出題されるからです。

特にプロジェクトマネージャ試験の午後問題の出題内容は、ケーススタディの様な内容が多いため、自分の専門外のプロジェクト運営などを学ぶきっかけにもなります。

まだ本格的なプロジェクトマネジメントを経験した事がない方は、この資格の勉強をするだけでも地力がUPすると思います。特に最近はPMBOKの知識も問われるので、事実上の世界標準となるマネジメント手法を身につける事ができます。

エンジニアとしての言葉に説得力が出る

「プロジェクトマネージャ試験に合格している」という実績があると、プロジェクト内のミーティングなどで発言した時の「言葉の説得力」が全然違います。※PMP試験に合格した人の言葉よりも重たい印象があります。

この資格を取得する際の勉強というのは、様々なプロジェクトに共通する知識である。というのは多くのエンジニアが認識しているからです。

プロジェクトの方向性を決定づけるタイミングで、このプロジェクトマネージャの資格を持った人が放った言葉というのは結構説得力があるものです。実際に私の友人は仕事を受注する際に、この資格を持っているという事実が武器になったと語っています。

(会社によっては)プロジェクトマネージャになれる

プロジェクトマネージャの資格orPMPを持っていないと、プロジェクトマネージャになれない。という会社は結構あります。(え?そうなの?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが)

プロジェクトマネージャとしての実務経験が問われる資格でもあるので、ちょっと順番が逆な気もしますが^^;

難易度はPMPの方が低いと言われているため、この様な場合、多くの方がPMPを取得しますが、受験費用が高い、更新料がかかる(今はだいぶ安くなりました)などのデメリットもあります。

いずれにしても、マネジメントをする上で重要な資格だと認識されているのは間違いないです。

その他

・フリーランスの場合、仕事の幅が広がる(募集条件で設定されている事がある)

・資格を取得すると会社から奨励金が出る(会社によっては数十万)

・資格の有無が昇格に影響する(これは会社や現場によりけり)

といった理由もあります。

プロジェクトマネージャ試験について

試験の概要

毎年4月・10月に行われる情報処理技術者試験の区分の1つで、プロジェクトマネージャ試験は4月(基本的には第3週の日曜)に開催されます。
※基本情報や応用情報とは違って年に1回だけの開催です。

受験資格は特にありません。毎年1月半ば~2月下旬までに申し込みが可能になるため、その期間に申し込みをすればOKです。
※ただ、内容としてはプロジェクトマネージャ経験が問われる様な内容が出題されますので、ある程度の経験があった方が当然有利です。

難易度

試験難易度は情報処理試験の中でもトップクラスの難易度と言われています。平成18年の試験までは合格率は10%に満たない資格でした。

しかし、平成19年以降は合格率が10%を超え、試験の内容も少しは簡単になってきたと言われています。

エンジニア経験者、ましてマネージャー経験者であれば、しっかりと準備をして試験に臨めば合格できる資格だと思います。

試験の流れ

次に、ざっくりと試験の流れを把握しましょう。

試験は以下の形式で行われます。

1)午前I 9:30~10:20(50分) 30問出題

2)午前Ⅱ 10:50~11:30(40分) 25問出題

3)午後Ⅰ 12:30~14:00(90分) 3問出題(2問を選択して解答)

4)午後Ⅱ 14:30~16:30(120分) 2問出題(1問を選択して解答)

特に午後の試験は共に難関である事が知られていて、しっかりとした勉強が必要になります。

勉強方法

勉強方法は参考書や過去問などを参考にして以下の流れで実践するのが一般的です。大体2ヵ月~半年くらいの勉強期間を設けるのが一般的です。

1)午前Ⅰ:応用情報試験から30問ピックアップされるため、過去の応用情報試験の過去問を解くのが効果的です。

2)午前Ⅱ:過去のプロジェクトマネージャ試験(午前Ⅱ)の過去問を解くのが良いです。午前Ⅰと内容が異なるのは当然ですが、レベルも少し高めと言われています。

3)午後Ⅰ:3問中、2問を選択して論文形式で回答します。論文や解法の訓練を行う専門の参考書が必要になると思います。また、解説付きの過去問が良いです。

4)午後Ⅰ:2問中、1問(その中に設問が3つある)を選択して論文形式で回答します。こちらも専門の参考書&解説付きの過去問が良いです。

おすすめの参考書はある?

様々な参考書がありますが、一つだけ私自身が良いなと思っていて、多くの受験者の中でも大人気の参考書を紹介しておきます。

その参考書とは、三好康之先生が執筆した情報処理教科書プロジェクトマネージャ(通称:みよちゃん本)です。

試験に合格するためのノウハウがぎっしり詰まっています。毎年改定されており、前年の9月末~10月頭くらいに最新版が出版されます。

みよちゃん本の詳細についてはこちらの記事に詳しくまとめています。

情報処理教科書プロジェクトマネージャ(みよちゃん本)を徹底レビュー!

まとめ

コンピュータ系の資格は「実務に役に立つ派・役に立たない派」で分かれる事が多いのですが、プロジェクトマネージャ試験は取得できれば大きな武器になる事は間違いないと思います。

しかも、この資格の場合は特に。

冒頭でもお伝えした通り、実際にこの資格を持っていると、ちょっと周りの見る目も違ってきます。新しいプロジェクトが発足する時に「あいつプロマネの資格を持っているから抜擢してみるか」なんて話も聞いた事があります。※実力があるかどうかは別として、資格を持っているだけで、マネジメントの基礎は理解していると思われるのです。

なので、ぜひ取得した方が良い資格!と言えるのですが、

問題は試験の難易度です。。。

何年かかっても取得できないという方もいる試験ですので、受験する場合には心してかかる必要があります。今は良質な参考書がたくさんありますので、それらを購入して効率的に勉強を進めていくのが良いと思います。