今回は20代でUnityエンジニアとして独立したTSさんにインタビューをします!

TSさんは現在ゲーム開発エンジンのUnityを使ってゲーム開発を行う仕事をされています。TSさんは元々工学部出身で機械のプログラミングに関する知識はあったものの、最初からIT企業に勤めていた訳ではありません。

それでも紆余曲折がありながら、現在はフリーランスとしてUnityのエンジニアとして活躍されています。さっそくインタビューをしながら、Unityのエンジニアになったきっかけや、フリーランスになる上で重要視した事などを聞いていきます!

以下の様な方にインタビュー内容を見ていただきたいです。

  • ゲーム開発の仕事をしたい
  • Unityエンジニアになりたい
  • 転職をしたいと思っている
  • 独立をしたいと思っている

リーベルリーベル

TSさん、よろしくお願い致します。
私もUnityを扱ってゲームや映像を作る事があるので、フリーランスとして活躍しているTSさんには色々とお話を伺いたいと思っていました。

TSさんTSさん

いえいえ、こちらこそ。
私のような人間の話で良かったらいくらでも。
どうぞよろしくお願いします。

20代の独立に成功したTSさんの経歴について

リーベルリーベル

まずはTSさんの仕事の経歴を教えていただけますか?
特に、どの様な経緯でフリーランスのUnityエンジニアをする事になったのかなど、経緯も併せて伺いたいです。

TSさんTSさん

はい、私の経歴をざーっと紹介させていただきます。

TSさんの仕事の経歴について(大体の年齢付き)

新卒の就職先(22歳)

新卒で教育関連の会社に就職、中高生向けに理系科目の教材を作ったり、オンラインで講義を行う仕事に就く。
※1年程で会社の方針が利益重視で微妙と感じてしまった。あまり良い考え方を持っている会社ではなかったと感じる。

1年半で会社を退職。

派遣社員として仕事を開始(24歳)

退職後は派遣会社に登録する。派遣先はIT関連の企業に決まる。

派遣先でIT関連の仕事に携わる。職種は事務に近かったが、周りのエンジニアがいて、その手伝いも行う。周りのエンジニアに影響され、学生時代にプログラミングに関する講義があった事を思い出して、エンジニアの仕事をしたいと思いだす。

派遣先のエンジニアの方からプログラミングについて教えてもらう。同時にゲームを作る仕事が結構あるという事も知る。

TSさんTSさん

この時期は、ゲーム開発の仕事に興味を持つきっかけになったターニングポイントです。
ここで私の人生が大きく変わり始めました。

エンジニアとして派遣される(25歳)

派遣登録先に相談をして、エンジニアの仕事をしたい事を伝える。派遣先からも要請をしてもらった事で、派遣先は変えずにエンジニアとして仕事をする事で了承をもらう。

オンラインのプログラミング教材を使ってWEB系とゲーム開発について勉強する。

派遣先でエンジニアとして仕事を開始。HTMLコーディングを行う仕事から着手をして、たまにRubyを使ったサーバ側のコーディングを行う仕事も与えられる。仕事は1年半ほど続ける事となる。

ゲーム開発に興味がある事を派遣先のエンジニアに伝えた所、フリーランスの方が仕事が探しやすいかもしれないとの情報を聞く。

フリーランスのエージェントに登録(27歳)

派遣の仕事と並行してフリーランスのエージェントに登録。

正社員としてゲーム開発の仕事をしていた訳ではないので、しばらくは難しいかもしれないと伝えられる。ただ、派遣でエンジニアの仕事をしているので、どこかで紹介はできるかもしれないと伝えられる。

派遣先の仕事もやりがいがあったので、エンジニアの仕事をしながら、ゲーム開発の勉強も進める

TSさんTSさん

エージェントに登録をしたものの、しばらく紹介はこないと思い込んでました。いつか紹介が来る時までにスキルを磨いて、業務経歴書を豪華にしようと思っていた記憶があります。

フリーランスとして仕事を開始(28歳)

ゲーム開発関連でたまたま初心者でも実施しやすい仕事を紹介され、そこに行く事を決める。開発工程の中のテストがメインだったので、初心者でも実施しやすい内容。

今考えれば、関東圏のフリーランスの相場としては報酬は安いが、それまでの派遣の仕事に比べると倍近くの収入になる事もあり、二つ返事で了承。

ありがたい事に派遣先でお世話になった方からも応援をしてもらい、契約期間を満了。

晴れてフリーランスとしてデビュー。

ゲーム開発者として仕事を開始(29歳)

フリーランスとして参画したプロジェクトは、スマホ・タブレット向けのゲームアプリ開発を行う現場だった。

最初の半年位は予定通りにテスト工程の作業を行うが、Unityやシステム開発のスキルを少しずつ認めてもらい、設計や実装の仕事も与えられる様になる。

設計の仕事をする際に契約内容の見直しを行い、報酬単価もさらに上がる。

他の案件に参画(31歳)

約1年半ほどでプロジェクト完了に伴い、カットオーバーとなる。

エージェントからはすぐに他のUnity案件の紹介を受け、現在もUnityエンジニアとして仕事をしている。

仕事内容はスマホ向けのゲーム開発がメインで、アジャイルの考え方を元にして設計~テストまでの工程を行っている状態。

TSさんの仕事の経歴について質問

リーベルリーベル

最初からエンジニア職だった訳ではないんですね。
しかも正社員のエンジニア経験が無い状態で案件を見つけているんですね。
個人で勉強されていた事や、派遣社員としてエンジニアの仕事をしていた事が後々で評価をされたんでしょうか。

TSさんTSさん

だと思います。
ただ、エージェントのスタッフからも、正社員の経験が無いと難しいかもしれないと言われていました。
一方で、派遣社員としての実績や、個人での学習経験・開発実績も評価してもらえる事があるので、業務経歴書でどこまでそれを伝えられるかが大事なポイントなのではないかと考えています。

リーベルリーベル

なるほど。
やはりエンジニアとしての実績や業務経歴書はフリーランスにとっては重要なんですね。
他の方にインタビューをしていても業務経歴書が重要だという話をよく聞きます。
派遣社員として仕事をされていた時期にターニングポイントを迎えたという事ですが、きっかけがあったのでしょうか?

TSさんTSさん

はい、たまたま派遣先で仲良くなったエンジニアの方の知り合いにゲーム開発をしている人がいるという話を聞きました。
それで、私もその様な仕事をしてみたいと思ったんです。
派遣先のエンジニアの方々からは色々な事を教えていただいて、本当にお世話になりました。

リーベルリーベル

人との出会いの中から、自分の夢も見つけたんですね。
素晴らしいです!
様々な方と知り合う事ができるというのは、エンジニアをしている人間の醍醐味の様な気がします。

ゲーム開発エンジニアとして20代独立時の体験談

リーベルリーベル

次はTSさんがフリーランスとして独立をした時の流れについて詳しく伺いたいです。エージェントを活用して案件を受注されたとの事でしたが、エージェントの活用方法やクライアントとの面談の経緯も含めて教えていただけますか?

TSさんTSさん

分かりました。
独立といってもエージェントから仕事を受けているので派遣社員時代とやっている事はかなり似ています。
私も最初は独立するまでに時間がかかると思っていたのですが、思ったよりは早く独立する流れになりました。

TSさんがフリーランスとして独立する時にした事

エージェントを活用してフリーランスに

独立の際には、フリーランス向けのエージェントを活用。

最初はエージェントの存在を知らなかったが、派遣社員時代の派遣先で知り合ったエンジニアの人たちに、フリーランスにもエージェントがあるという事を教えてもらう。

ゲーム開発に興味が出て、フリーランスの方が仕事を探しやすいという情報を聞いたので、すぐにエージェントに登録する。この時は給与が低かったので副業でできる仕事が無いかを探すという目的も持っていた。

エージェントからは正社員経験を積むか、派遣でも良いのでもう少し実績があると良いと言われる。個人でUnityを使っている事などもアピールした。この時は一度正社員としてエンジニアになるか、派遣社員としてもう少し経験を積むか、Unityで作ったアプリをリリースするなどしてポートフォリオを作成する事などを考えていた。

Unityの実務経験が無いので、業務経歴書はしっかりと作成した方が良いとのアドバイスを受けて、実務経験とは別で勉強している事(Unity、C#、ゲームに関連する知識)を業務経歴書に記述する様にした。

TSさんTSさん

正社員経験が無く、Unityの実務経験も無い状態なので、自分のスキルをしっかりと業務経歴書の中でアピールする様にしました。
単純に経験をまとめたものではなくて、自分の考え等を自己PRという形で表現しました。
ゲーム好きという事もしっかりと記述しました。

一度経験を積むと安定的に仕事がきやすい

たまたまUnityでテストを実施できるエンジニアを探しているクライアントがいて、エージェントから面談依頼の連絡があった。

そこで面談に受かってしまう。業務経験は無いが、Unityは使える事や、将来Unityを使って仕事をしていきたいという事を業務経歴書に明記していたのが効果的だったと考えている。※単純な経歴やスキルの他に、文章でアピールする様にした。

フルタイムでUnityエンジニアとして仕事を開始。ただし、しばらくはテスト作業者の立場だった。設計や実装の仕事を依頼されて、契約内容を見直して仕事を継続。

その案件は無事にカットオーバー。その後もエージェントかUnityエンジニアの仕事を紹介してもらい、現状は安定的に仕事ができている。

TSさんTSさん

一度フリーランスのUnityエンジニアやゲーム開発者として経験を積むと、その後はある程度案件紹介が来ると感じています。カットオーバーが決まった時点でエージェント側に相談し、次の案件を早めに探してもらいました。

TSさんの独立について質問

リーベルリーベル

ありがとうございます。やりたい事がハッキリしている状態で、目標に向かっている印象を受けました。
最初に仕事をもらえたのは本当に偶然だったんでしょうか?

TSさんTSさん

はい、運もあったと思っています。
エージェントからはエンジニアとしての就業経験が無いと厳しいだろうとは言われていました。
ただ、派遣としての仕事でも評価はしていただけます。
当然ながら、Unityのエンジニアとして社員経験があればベストですが、正社員としてUnityエンジニアになるのは間口が狭くて難しいので、せめてエンジニア経験を持つ事を意識すると良いと思います。

リーベルリーベル

Unityの実務経験が無くても、エンジニア経験があれば仕事はわりと見つかりそうな印象がありますか?

TSさんTSさん

そうだと思います。
Unity以外でも良いのでエンジニア経験が豊富だと一気に案件は見つかりやすくなります。
あとUnityの開発ではC#やVisual Studioも使うので、C#やVisual Studioを使える会社にまずは転職するというのも良いステップです。難しければ、私の様に派遣社員でも経験として評価されると思います。
あ、それからスマホ系のゲーム開発というのはWEBサーバ側とのデータ送受信が不可欠になるので、結局はWEB系のエンジニアがいます。ですから、まずはUnityでなくても、WEB系の職種などで契約してもらうというのも良いと思います。

リーベルリーベル

あ!そういう事ですか。ではWEBのサーバサイドのスキルがあれば、それだけでもゲーム開発の仕事は見つかりやすいんですね。それはすごく重要な情報ですね。
ゲーム開発現場の中でもUnityの業務だけに固執するのではなくて、他の職種も視野に入れておく事で仕事は見つける事ができるんですね。

TSさんTSさん

以前の現場には、コーディングはできないけれど、サーバのログ管理の仕事をされている方もいました。ですからサーバ側のOSで使われるOS、例えばLinuxを使いこなせるだけでも仕事をもらう事は可能だと思います。

エンジニア・ゲーム開発者の独立に関するアドバイス

リーベルリーベル

フリーランスのエンジニアとして独立したい方や、Unityのエンジニアとしてゲーム開発をしたい方に向けてのアドバイスがあれば教えていただけますか?

TSさんTSさん

はい、Unityエンジニア限定になるかもしれませんが、私ができる事をアドバイス致します。

TSさんからのアドバイス

  • 最初はフリーランス向けのエージェントを活用すると良い(実績作りでクラウドソーシングを活用するのはOKだが、単価が安く要件がまとまらないという話をよく聞く)。
  • フリーになる前に、できるだけ正社員でエンジニアスキルを身に付ける方が良いが、派遣社員や契約社員でもエンジニア経験があれば案件を紹介される事もある。
  • 業務経歴書は細かく記述する事、自己PRを文章で表現すると尚良い。内容はエージェント担当者にも細かく確認してもらうと良い。
  • 正社員でUnityの業務をする機会は少ないので、自分でスキルの習得を行った方が良い。スキルの習得はUnityの書籍や、オンライン教材、プログラミングスクールなど。
  • Unityエンジニアの場合は、個人で作った開発実績のポートフォリオが有効。
  • Unityを使ってどんな事をしたいのかを明確にする事が大切。目的は面談で問われる。

TSさんのアドバイスについて質問

リーベルリーベル

色々と教えていただいてありがとうございます。エンジニアとしての実績と、将来性を評価されるのかなという印象を受けました。

TSさんTSさん

まさにその通りです。エージェントからもクライアントからも、どの様なスキルを持っていて、どの様な方向に進みたいのかを判断されていると感じました。

リーベルリーベル

以前インタビューをした方も「できる事」と「できない事」を明確にする事が大事と言っていました。その話とも似ていると感じます。将来の目標を伝える事で、将来的なスキルも予測ができそうな気もします。

TSさんTSさん

本当にそうだと思います。私自身、個人開発でたまに外注をする事がありますが、その人のスキルがよく分かると仕事を依頼しやすいです。
Unityエンジニアにも得意な分野が違うので、何ができて何ができないかを教えてくれると助かります。

リーベルリーベル

やはりそうなんですね。できる事・できない事を切り分けできるという事はある程度のスキルを持っている人と評価される様な気もしますね。

TSさんTSさん

その通りです。Unityを使えると言っても何でもできる訳ではない事はみんな分かっているので、自分が得意な分野をハッキリさせた方が良いと思います。そういう意味ではポートフォリオがあると良いのですが、最初はポートフォリオを作るのは難しいので、まずはエージェントにお願いをして一緒に仕事を探してもらうのがオススメです。

TSさんの今後の展望

リーベルリーベル

最後に教えていただけると嬉しいのですが、TSさんが今後チャレンジしていきたい事はどの様な事なのでしょうか?

TSさんTSさん

今後はCGグラフィックを駆使した有名ソフト開発に関わりたいです。以前はやはり据え置き型がゲーム開発が花形でしたが、今はPCやタブレットも性能が良くなっているので、仕事の幅も増えています。リーベルさんの様に個人開発もしたいと思っています。

リーベルリーベル

なるほど!やはり有名ゲーム開発に関わるというのは夢がありますね。個人開発の方も期待をしていますね。
今後もフリーランスのUnityエンジニアとして仕事をしていく予定なのでしょうか?

TSさんTSさん

はい、そのつもりです。今の所、どこかの会社に所属するつもりはありません。
一度フリーランスとしてUnityの仕事をしたという実績があれば応募先は増えるし、3年も続ければ十分な実績になるので、仕事にはあまり困らない状態になると考えています。
フリーランスであれば、個人開発もしやすいので、夢が2つある様な状態です。

リーベルリーベル

すごい!夢があって素晴らしいですね。どちらも達成しそうな勢いですね!
ちなみに、今後もずっと仕事を続けるために、努力している事などもありますか?

TSさんTSさん

やはり常に技術の勉強はしています。Unityと同じゲーム開発エンジンのUE4についても勉強しています。スキルを身に付けるのは仕事を安定的に続けられるためという理由が大きいですが、スキルによって自分のできる事が増えるのが楽しいです。

リーベルリーベル

分かりました。今回のインタビューで私もゲーム開発へのやる気が出てきました。
おそらくUnityエンジニアを目指している方にとっても参考になる情報があったと思います!
TSさん、今回はどうもありがとうございました。

TSさんTSさん

こちらこそありがとうございました!

まとめ

今回はフリーランスのUnityエンジニアとして活躍されているTSさんにインタビューを行いました。

元々は、全然別の業界に就職をした後、派遣社員という経歴から独立されたというのは、あまり聞かないケースなので、非常に興味深い内容でした。

自分のスキルを高め、目標をしっかりと持ち、それを業務経歴書などで表現する事ができれば、良い仕事に巡り合えるというモデルケースだと感じます。

もしもゲーム開発やUnityを扱う仕事に興味を持たれている場合は、ぜひTSさんの経歴やアドバイスを参考にしてみて下さい。