AI・IoT・ディープラーニングというキーワードと共にIT技術への注目が高まっています。その中でITエンジニアへの需要も高まっており、IT業界の仕事は会社員・フリーランス共にエンジニアの収入・待遇の良い人気業種になりました。

そんな中で、IT業界やエンジニアへの転職を希望する人も多く、未経験からでも勉強を重ねて転職を成功させる方も数多くいます。ただ、それらは20代~30代(特に35歳以下)の方が大半です。一般的にも転職は35歳が限界と言われる事もあるので、当然だと思います。

では、40代でしかも未経験の状態で、IT業界やエンジニアへの転職は不可能なのでしょうか?

ズバリ回答を言うと、40代で未経験だと厳しいのが実状です。しかし、IT業界未経験であっても転職を成功させる方もいます。IT業界は慢性的な人手不足ですから、仕事がしっかりできて、会社の制度として受け入れ可能な場合は転職できる事もあるのです。

では転職できる人と転職できない人の違いは一体何なのでしょうか?今回は40代未経験の状態からIT業界への転職を目指す方を対象に、転職するために必要なステップをご紹介します。

40代未経験者は企業からどの様に見られるのか?

さて、まずは40代でIT業界・エンジニア未経験者が企業側からどの様に見られるのか?を知っておく必要があります。

企業の考えを全く理解していないと、相手にしてもらえないケースすらあるからです。気合いや、やる気だけで何とかなるといった考えでは面接にすら辿り着けない可能性もあります。(本当にやる気がある人なら何とかなったりするんですが、それは置いておいて)。

40代であれば、未経験・経験者問わずに、企業としては即戦力の人材を求めていますから、いくら人手の足りないIT業界であっても、会社の力になると判断されなければ正社員としての転職は厳しいものになります。

しかし、逆に言えば「この人なら即戦力になる」とか「40代未経験でも、この人なら欲しい」と判断をされれば転職する事は可能です。実際にその様な事例がいくつかあります。

では、どうすれば「この人なら欲しい」と思われるのでしょうか?

40代未経験でも「この人なら欲しい」と思われる具体例

未経験でも欲しがられる人材。大きく分けて以下の様な方がそれに該当します。

今までの仕事で大きな実績がある&強力な人脈がある

大きな実績があったり、人脈がある場合というのはIT業界に限らず、転職の幅が非常に広い人材です。実績や人脈というのはビジネスの世界では非常に大きな強みになる事を企業は知っています。ここに該当するのは、いわゆる人的資本の高い人で、ヘッドハンティングで声がかかる事もある様な人です。一般的な人はなかなか該当しないかもしれません。

個人開発やプログラミングスクールでシステム開発の経験がある

IT業界やエンジニアとしての業務経験は無くとも個人開発やスクールでシステム開発をした経験がある場合は、企業によっては実績として判断してくれる事もあります。欲を言えば業務の事も知識として理解していれば、評価をしてくれる事があります。

特定の業務知識に詳しい

特定の業務(旅行、金融、自動車等々)に詳しい人も、IT企業から欲しがられる人材と言えます。IT企業にも顧客がいますから、顧客の業務知識をよく理解している様な場合は、ぜひ欲しい人材にマッチする事があります。但し、各企業の顧客の詳細を調査するのは限界があり、どの様な業務知識を求めているかは企業によって異なります。自分の業務知識が企業から求められるものになっているかどうかは転職エージェント等で相談してみると分かると思います。

企業の幹部と仲がいい

最後は特殊なケースですが、企業の幹部と仲がいいというケースです。業界が違っていても、人間性や基礎的な能力を分かっている人が企業側の幹部にいる場合は、転職ができる事があります。ただ、大企業となると幹部も勝手な人事はできませんから、必然的に中小規模の企業に限定されると思います。

「この人なら欲しい」と思われなくても転職できるケースも?

先ほどの話とは逆説的になりますが、すぐに「この人なら欲しい」と思われなくても転職できるケースもあります。

それは、「人手が全然足りていない」という場合です。

例えば、私が知っている実例でこんな話があります。

ITエンジニアは常駐と言って顧客企業で仕事をする事が結構あります。しかし、その常駐先が遠方であったりすると、なかなか行きたがらないエンジニアが多いというのはよくある話です。片道で2時間以上もかかるのであれば、断る方がいるのも頷けます。

しかし、あるプロジェクトで知り合った方は、40代未経験(独学でプログラミングの勉強は始めていた)にも関わらず、たまたま住んでいる地域がその顧客企業に近いという理由で採用されたというのです。遠方で行く人がいないために、その職場に行くならという条件で入社OKとなったらしいです。

その方は会った時には3年ほど経験を積んで立派なエンジニアになっていましたし、希望を出せば他の現場に行く事も認められる位、会社とも信頼関係を築いていました。

企業も色々な問題を抱えていて、まさに人手不足の時はとりあえず誰でもいいから欲しい!と思っているケースもあります。仕事ができる事は入社をしてからアピールすればいいやと割り切って、まずは転職ができる会社を探していく事も大切です。なかなかこの様な会社に巡り合えないという事もあるかもしれませんが、本気で転職を希望するのであればやはり根気を持って探し続ける事が大事です。

40代未経験からでも転職できる業種・職種・企業の調査

40代、未経験の状態からでも転職ができる業種・職種・企業についても理解を深めておきましょう。

一般的にどんな仕事が転職しやすいと言われているか?

20代・30代であっても未経験から転職できる業種・職種というのは限られています。未経験からすぐに転職しやすいのはプログラマーやネットワークエンジニア、IT系の営業職などになります。いずれにしても、基礎知識と、しっかりとしたスキル、やる気などがあればできる仕事です。そして、何年け経験を積めば、システムエンジニアやマネージャー職になる事も可能な仕事です。

しかし、40代未経験からでも、これらの仕事であればできるのでしょうか?当然やる気があればできるとは思うのですが、企業が求めるのはあくまで即戦力、もしくは可能性のある人材です。ですから、今までの経験を元にして、転職を希望する企業に与えられる価値を明確にする事が大切です。

完全に未経験の状態では相手にされない事もあるので、プログラミングスクールに通ったり、資格の取得をするなどして、しっかりとスキルを高めておく事が大切です。

ちなみに、ITの基礎知識やプログラミングスキルと併せて、プレゼンの経験や管理職の経験があれば、ITコンサルタントやPMOといった職種に就く事も可能です。これらの仕事は、他の業界と仕事内容が重なる部分もあるので、今までの業務経験を企業から評価してもらえる事も多いです。実際の仕事にも似通った業務があれば、事実即戦力になる事ができます。

採用条件(40代可?未経験可?)を確認しておこう!

転職希望の企業の採用条件を調査しておきましょう。

多くの企業は、そもそも35歳を超えたら採用しないというルールを設定しています(特例はあります)。日経の大企業に特にこの様なルールが多いため、そもそも採用条件に合っているかどうかを事前にしっかりと調査しておきましょう。また、未経験不可というルールを設定している事もあるので、この条件も確認しておきましょう。

逆に未経験40歳以上でも可という採用条件であれば、問題なく求人への応募が可能です。但し、この場合は会社自体が何か問題を抱えている事もあります。この辺りも含めて、しっかりと企業の調査をしておく事が大事です。

契約社員・派遣は切り札!

最初だけは契約社員や派遣社員という形で経験を積み、業務経験ができた所で改めて転職をする。という選択肢もあります。

但し、40代の場合だと時間が経ってからでは経験ありでも転職し辛い状況になる事が当然あります。

これは一概にどちらの選択が正解とは言えません。ただ、なるべくまずは正社員になる道を探した方が良いです。どこも無いという場合に契約社員や派遣社員という形で一旦転職する選択をしましょう。転職エージェントの担当者であれば、業界の事情にも詳しいので一度この点についても相談しておく事をおすすめします。

志望動機を明確にする

40代未経験の状態で求人に応募をすれば「なんで今からITに?」と思われるのは当然の話です。

採用試験時のエントリーシート作成や面談では志望動機が問われますので、なぜITの仕事をしたいのかをハッキリと伝えられる様にしましょう。少なくとも以下の様な事は最低限明確にしておくべきです。

  • 自分の中でIT業界へ転職したいと思ったきっかけ
  • 転職後にどの様な事を成し遂げたいのか
  • なぜその企業に転職したいのか
  • 自分自身の強み・アピールポイントは何か

※ちなみに、前職が嫌だったからといった志望動機では相手にされませんので要注意です。

また、これらの事を相手にしっかりと伝わる様な文章・会話の表現をする事が大事です。40代であれば、20代・30代の人よりもより高い内容・表現も求められるので、しっかりと内容を詰める様にしましょう。

志望動機が明確になっていて、それが企業にとっても納得できる様な内容であれば、仮に転職できた後も前向きに目標に向かって仕事をしていく事ができます。※どちらかと言うとこれが大事

ただし、志望動機に弱い部分は無いか?適切な表現になっているか?というのはなかなか自分では判断できないものです。身の回りにいるIT企業に勤める知人や転職エージェントの担当者に話を聞いてもらい、第三者の意見を取り入れましょう。急に面談に行くとかなり高い確率で失敗します。

スキルを身に付ける&経験を棚卸しする

40代未経験からの転職の場合、ITの仕事を行う上で必要なスキルを身に付ける事と、これまでの経験の棚卸しも必須と言えます。

身に付けるべきスキル

身に付けるべきスキルは「採用試験」でアピールできるものであり、「実業務でも役に立つもの」である事が条件です。スキルの身に付け方は資格の取得とプログラミングスクールでの学習がメインになります。

資格取得

40代未経験であれば、資格取得をしていれば採用試験時に武器となります。

評価される資格は「国家資格の情報処理試験(レベル2以上)」か、「ベンダー系資格(オラクルマスター等)」になります。

ベンダー系資格は業務経験が無ければ取得は難しいので、業務経験が無ければ国家資格の「基本情報技術者試験」辺りを狙うのが無難です。とはいえ、結構勉強時間は必要になるので、転職を決めた時点で勉強を始める位の気持ちが必要です。転職活動とは平行で勉強してOKで、面接時には現在勉強中と伝えるだけでも多少のアピールにはなります。

プログラミングスクールでの学習

プログラミングスクールの卒業資格があれば企業からはそれなりに評価をされます。最低限のスキルがある事と、やる気がある事は伝わります。それと、仕事開始後にどの様な業務を行うかをイメージできていると思われる可能性も高いです。

また、卒業制作で何かしらのシステムやアプリを作成していれば、それをポートフォリオとして企業にアピールする事もできます。

なので、転職の可能性を高めたいという場合にはプログラミングスクールに通う事がオススメです。中には転職サポートのあるスクールもありますが、大半が30代前半までの人材を対象としているので、40代でもサポートが受けられるかどうかはスクール側に問い合わせが必要になります。

経験の棚卸し

40代の方であれば、これまでの業務経験の棚卸しも重要です。

すでにお伝えしている通り、直接ITのスキルに関係しなくとも、IT企業の顧客業務に関係した知識やスキルを持っていれば「必要な人材」と評価をされる事もあります。

例えば、医療系の仕事をされていた方は、医療系のシステム開発を行っているIT企業(顧客が病院や医療器具の企業)から見れば「必要な業務知識を持った人材」と思われる事もあるのです。

また、特定の業務知識がなくとも、マネジメントの経験が豊富であったり、営業のスキル等があれば、システムを直接扱わなくとも小規模なチームのマネージャーや、営業を中心としたコンサル、PMOの職種として採用される事もまれにあります。但し、ITの業務もよく理解している事が前提条件となりますので、知識はどうしても必要になります。

自分の経験がどの様に評価されるかは自分一人で考えてもなかなか答えは出ません。IT業界に精通している転職エージェントの担当者に相談をして、どの様な経験が評価対象となるかを相談してみる事が大切です。

すぐに行動を開始する

40代未経験の場合、まず最初にやるべき事は「転職活動」を行動に移す事です。

30代以降は、基本的には時間が経てば経つほど、転職には不利になります。仮に現在仕事をしているとしても、平行で転職活動を開始するべきです。まして条件の良い企業に転職したいのであれば、少しでも早く転職活動を開始する方が有利です。少しでも時間を捻出して転職活動を開始しましょう。かなり忙しい状況だと厳しいものもありますが、人生の中でどうしても努力が必要が時もあります。

40代の方は、転職サイトやハローワークよりも、まずはIT業界に強い転職エージェントに登録をして相談するのが一番良いです。

IT業界に強い転職エージェントには業界詳しいスタッフがいますので、果たして希望通りに企業があるのか?転職のためにどの様な努力が必要なのか?などを教えてくれます。また、志望動機が妥当であるか?や、エントリーシート・業務経歴書の記入方法、面接対策なども行ってくれますので、必ずサービスを活用しましょう。

エージェントの担当者と相談をしながら、今回お伝えした事も平行して実行していきましょう。

まとめ

今回は40代でエンジニア未経験の方が正社員になるためのステップを紹介しました。

40代未経験であれば条件が厳しくなる事は覚悟しておきましょう。ただ、何度もお伝えしている通り、可能性はありますし、実際に40代未経験の状態からIT業界に入った人は全然います。最初は大変な事もあるかもしれませんが、本当にやる気があれば仕事もどんどんできる様になると思いますし、企業側とも信頼関係を築けるはずです。

今回お伝えした内容をおさらいしておくと、

  • 40代未経験からの転職希望者がどの様に企業から見られるかを理解する
  • 未経験からでも転職できる業種・職種・企業の調査
  • 志望動機を明確にする
  • スキルを身に付ける&経験を棚卸しする
  • 行動を開始する(一番大事!)

となります。

転職のし易さは時流にもよりますが、IT人材が足りない状態は全く解消されていません。本気で転職を希望しているのであれば、すぐにでも転職活動を開始しましょう。早ければ早い方が有利なのに違いはありません。