そろそろ転職をしたいな。と思っても、転職活動をしなければならないと考えると気が滅入ってしまう。その気持ちよく分かります。転職活動はかなり大変ですからね。

特に、最初につまずきやすいのは職務経歴書の作成です。これまでの自分の経験を棚卸ししたり、志望動機をまとめて記述するというのは本当に面倒です。※実際にやってみるとよく分かる。。。

しかし、職務経歴書を作成する事で、過去の実績を改めて振り返り、今後の目的を明確にする事もできます。

職務経歴書が必須なのであれば、できるだけ効率的に職務経歴書を記載しながら同時並行で自己分析&転職活動準備を進めていくのが理想的です。
※むしろ平行で進める方が転職のための情報を綺麗にまとめていく事ができます。

職務経歴書を完成させてから実際の転職活動(面談等)を開始すると、あまりに時間がかかり過ぎてしまう事が多いのです。

とはいえ、職務経歴書は面談をする時のネタにもなりますから、手を抜かずにしっかりと書きあげたい所です。今回は、職務経歴書を書き進めながら、転職活動に必要な自己分析や企業調査などを平行で進める手順を紹介します。

紹介する8つのステップを踏む事で職務経歴書も完成させる事ができるので、ぜひご参考に!

この記事は以下の様な方を対象にまとめています

  • エンジニア転職を開始したい
  • 職務経歴書を作りたいが、書く順番が分からない
  • 職務経歴書を書きながら、転職活動の準備も進めたい

職務経歴書を書く8ステップ

それでは職務経歴書を効率的に書く手順を紹介します。

と、その前にITエンジニア向けの職務経歴書の記載内容の基本を知っておきましょう。職務経歴書の書き方は以下の記事にまとめていますので、書く内容がそもそも分からない!という場合は、まずはこちらをまずは確認しておきましょう。

■職務経歴書の書き方の基本

【1】 自分のスキル、経験の棚卸し

IT系やエンジニアの世界では、スキルや経験が非常に重要視されます。そのため、これまでに得たスキルを職務経歴書の中で適切に表現する必要があります。

職務経歴書に記載する内容を意識しながら、これまでに自分が経験したプロジェクトや、身に付けたスキルをよく思い出し、自己分析を行いましょう。具体的な記載内容は先に紹介した「職務経歴書の書き方」の記事を参考にして下さい。

職務経歴書に落とし込む内容

職務経歴欄の「業務経験」⇒どの様なプロジェクトに携わったのか?

職務経歴欄の「担当フェーズ」⇒どの様なフェーズを担当したのか?

テクニカルスキル一覧、職務経歴欄の「スキル」⇒C言語、Javaといった具体的なスキル

資格⇒これまでに取得したスキル

ここでするべきなのは、自分のスキルや経験などの自分の「過去」を棚卸しして、「自分はこんなスキルを持っているんだ。」とか「こんな経験をしてきたんだ。」という事を改めて実感する事です。自分の過去を棚卸しする事で、自分が得意な事や好きな事を改めて実感する事ができる様になります。

【2】棚卸しした内容を基に「取り組み」を文章に落とし込む

上述したスキル、経験の棚卸しを行った後は、取り組み内容を具体的な文章に落とし込みましょう。単純にスキルを並べるのではなく、自分の過去の実績をじっくりと思い出し、企業に対してアピールできる事をまとめる作業になります。

職務経歴書に落とし込む内容

職務経歴欄の「取り組み」⇒自分が業務の中で取り組んだ内容を文章にする

自分の実績を文章にして表現する事で、自分だけのオリジナルな経験が見えてきます。といっても、「取り組み」の文章というのは箇条書きでまとめた1行、2行程度の文章になります。それでも、自分の経験については、書き慣れていないと文章にする事はできません。この後の「自己PR」等々でしっかりとした文章を書く事になりますので、文章にも書き慣れておきましょう。

また、ここでじっくりと考えた事は、後々の作業や、採用面談のネタにもなります。さらに言えばSTARフレームワークに基づいて内容を深堀りした方が良いのですが、この時点では情報をまとめる程度で良いと思います。STARTフレームワークを活用したブラッシュアップは後々行います。

【3】 現在の状況を自己分析する

転職を検討しているという事は、現在の会社や環境に少なからず不満があると思います。もしくは、辞めたいけれど、なかなか辞められなかった理由などもあると思います。

ここでは現在の状況を分析してメリット・デメリット・辞めたい理由・辞められない理由などに落とし込みましょう。

この作業は職務経歴書に直接落とし込む内容ではありませんが、この作業をする事で、自分の気持ちや考え、置かれている状況を冷静に判断できる様になると思います。

さらに踏み込んだ事を言えば、エージェントや企業との面談の中でも「転職理由」は必ず問われますので、現状を自己分析して転職理由を明確に答えられる様にしておきましょう!

【4】未来(転職後)でやりたい事を明確化する

上記で現在の状況を自己分析したら、今度は未来でやりたい事を明確化しましょう。

まずは抽象的な内容を挙げ、その内容に対して自分で質問を行い、少しずつ具体化をするとやりたい事が明確になっていきます。
※なぜなぜ分析などを行います。

未来でやりたい事の具体化例

最新の技術に触れたい ⇒最新とは?
・AIを勉強してみたい ⇒勉強するためには?
・・AIを学べる環境にいきたい ⇒その環境に行くためには?
・・・Pythonを勉強できる仕事に就いて、先々はAIの第一人者を目指せる会社に行きたい ⇒その会社は?
・・・・人工知能を研究していて、AIの第一人者になれる可能性のある「株式会社〇〇」に行きたい

AIの開発、研究を行っている企業、Pythonを扱う職種などを調べる
・WEB系のシステムを作れる様になりたい
・・WEB上の情報を収集する様なシステムを開発したい
・・・データ集計・解析を行う仕事をしたい
・・・・ビッグデータを扱う仕事に就きたい、先々はデータ解析の第一人者を目指したい ⇒その会社は?
・・・・・SNS系のビッグデータを扱う「株式会社〇〇」に入社してデータ解析の第一人者を目指す

やりたい事というのは、たったの一つではないはずです。いくつ挙げても良いので、自分が理想とする未来を分解して目標化してみましょう。

いくつかの目標の中から、自分が本当に携わりたい事を明確化しましょう。この内容は面談で問われる「志望動機」とも関連します。

【5】 業界・職種・企業研究

自分がこれからやりたい事が明確になったら、それを実現できる業界・職種・企業を調査しましょう。

実際の転職活動の中で希望が変わる事がありますが、現時点での軸を明確化する事で進むべき方向が整理しやすくなります。
※まだエージェントへの登録もしていない状態であれば、できる限りの調査でも良いです。

調査の方法については別記事に詳しくまとめていますので、そちらを参考にして下さい。

■業界・職種・企業研究の方法

【6】 自己PR(企業に対するメリットを述べる

応募したい業界・職種・企業がある程度明確になったら、自己PRをまとめましょう。

自己PRは職務経歴書には書かないケースもありますが、エージェントや企業の面接で問われる可能性は高いです。

職務経歴書に落とし込む内容

職務経歴欄の「自己PR」⇒自分の経験からPRしたい事をまとめる

棚卸しした過去の経験を元に、応募したい企業に対してアピールしたい事を文章でまとめましょう。ちなみに応募企業によって自己PRの内容は書き分けるべきです(面接でもスラスラと答えられる様に、暗記しておきましょう)。

一点、注意が必要なのは、職務経歴書に記載する自己PRと面談で改めて問われる自己PRは必ずしも一致しなくても大丈夫です。具体的な自己PRは面談の中で自分の言葉でハッキリと伝える方が説得力があります。

【7】職務要約、活かせる経験・知識・技術のまとめ

さて、転職準備と職務経歴書の作成もあと少しです。

これまでにしてきた事を文章にまとめて、「職務要約」「活かせる経験」として表現しましょう。

職務経歴書に落とし込む内容

職務経歴欄の「職務要約」⇒職務経歴書にまとめた内容を総括する

職務経歴欄の「活かせる経験」⇒職務経歴書にまとめた内容を基にどの様な経験を活かせるかを記載する。

この作業を最後にもってきたのは、自己PRと同じ様に企業毎に内容を書き換える可能性があるからです。

基本的には、既に記載の内容をまとめるだけですが、職務経歴書の内容と、応募したい企業のニーズを照らし合わせながら、改めてアピールしたいポイントをまとめましょう。

【8】STARフレームワークで職務経歴書の完成度を高める

さて、一旦ここまでで職務経歴書はある程度完成したかもしれません。

しかし、このままでは職務経歴書の完成度はまだまだです。

自分の職務経歴を伝えるためにはSTARフレームワークに当てはめて表現すると具体化され、採用側にも自分の実績や考えがよく伝わる様になります。

もう一度職務経歴書を書きなおす様なイメージになるかもしれませんが、STARフレームワークを活用して自分の実績を具体化し、相手伝わる内容に書き換え、ブラッシュアップをしていきましょう。

特に、職務経歴欄に記載の経験や取り組みに関する記述はしっかりと記載し直しましょう。

STARフレームワークについては以下の記事を参考にして下さい。

まとめ

今回ご紹介した内容をおさらいしてみましょう。

職務経歴書を記載する手順

  1. スキル、経験の棚卸し
  2. 棚卸しした内容を基にして「取り組み」を文章化
  3. 現在の自己分析
  4. 未来でやりたい事の明確化
  5. 業界・業種・企業研究
  6. 自己PRの作成
  7. 職務要約、活かせる経験等のまとめ
  8. STARフレームワークを活用して改めて職務経歴書の完成度を高める

一通りの手順を解説しましたが、実際はこの作業を何度も繰り返す事になると思います。
※また8ステップを繰り返す事になるかもしれません。。。でもそれでブラッシュアップするしかありません。

それと、複数のエージェントを活用している場合は、エージェント毎に職務経歴書のフォーマットも変えなければならない事もあります。ただ、エージェントが変わっても記載する内容は基本的に同じになります。

職務経歴書に記載する内容の軸が定まっていれば、どの様なフォーマットでもある程度対応できます。

職務経歴書を書きながら、効率的に転職活動を開始しましょう!