IT系・エンジニア志望者向けの転職活動(実践フェーズ)の具体的な計画立てをしていきましょう。

転職活動には様々なフェーズがありますが、転職エージェントと面談をしたり、企業に応募したり面接したり、という転職活動の実践部分を、ここでは転職活動(実践フェーズ)と語っています。今回はこの転職活動(実践フェーズ)の進め方について解説します。
※自己分析を行って転職の軸を作ったり、職務経歴書を作成したりといった転職活動の準備的なフェーズは完了している前提で話を進めます

転職活動の中でも特にスケジュール調整が必要だったり、とにかく忙しいのがこの実践フェーズです。

自己分析や企業研究まではある程度自分のペースで転職活動ができますが、この転職活動(実践フェーズ)が始まると、以下の様な理由から急に忙しくなります。

忙しくなる理由

  • 転職エージェントとの面談
  • 現職との仕事の調整(業後時間確保、有給取得等)
  • 志望企業の面接
  • 職務経歴書等の修正
  • 上記に付随する電話やメール連絡

忙しくなる前にしっかりとした行動計画を立てておく事で、ある程度自分のペースで転職活動を進める事ができます。

現職で開発を行っている場合などはスケジュールがタイトだと計画が破綻してしまいますよね。。。余裕を持って転職活動をする事が転職活動の成功にも繋がります。

今回紹介する内容は、実際に転職エージェントでキャリアアドバイザーをされていた方にも監修していただいているので、大抵の転職希望者が参考にできるものと思っています。

この記事は以下の様な方を対象としています

  • IT業界・エンジニアへの転職を検討中
  • これから企業への応募や面接をする予定
  • 転職活動時のスケジュール管理の仕方が知りたい

転職活動(実践フェーズ)前の準備

まず、転職活動(実践フェーズ)に進む前の最低限の準備についてお伝えします。

これらの準備まではしっかりと完了させておく様にしましょう。

最低限の準備

  • 転職の軸を作る
  • 希望条件を整理する
  • 情報収集を行い、志望業界・職種を検討する
  • 履歴書を作成する(写真の準備など)
  • 職務経歴書を作る(随時ブラッシュアップは必要)

これらが完了していないかも!という場合は、以下の記事も参考にして準備の見直しをして下さい。

■転職の軸の作り方

■情報収集について

■職務経歴書の作り方

転職活動(実践フェーズ)の具体的な行動計画

では、転職活動(実践フェーズ)の具体的な行動計画について解説します。

転職活動の中でも特に忙しく、スケジュール調整・管理が必要なフェーズですが、一つ一つ着実にこなしていきましょう。

転職活動(実践フェーズ)では基本的には以下の様な事をする必要があります。これらの事をしっかりと頭に入れた上でそれぞれの行動計画を立てましょう。

転職活動(実践フェーズ)の内容

  • 転職の軸を基に希望条件・志望企業を絞り込む
  • 転職の希望時期を明確にする(現職の調整)
  • 転職活動(実践フェーズ)のペースを明確にする
  • 転職エージェント・サイトに登録、その後の対応
  • 求人情報、業界情報、企業の口コミサイト等のチェック
  • 面接対策をする
  • 基準を決めて企業に応募する
  • 採用選考を受ける(平行で選考を受ける数を決める)
  • 内定後の対応

それぞれ詳しく解説していきます。

転職の軸を基に希望条件・志望企業を絞り込む

まずは転職の軸を基にして希望条件や志望企業を具体的に絞り込んでいきます。

転職の軸までしっかりと作れていれば、ある程度の希望条件や、志望業界・職種は明確になっていると思いますが、実際に応募をする際には当然志望企業まで絞り込む必要がありますし、転職エージェントや志望企業に対して、より具体的な希望条件を言語化して伝えていかなければなりません。その時に迷いがあったり、軸がぶれていると、面接等でも悪い評価をされてしまう事があります。

様々な企業の情報を集めながら、これぞ自分の志望企業だ!と思える企業を絞り込んでいきましょう。

※転職活動を進める中で希望条件や志望企業が変わる事はありますが、一旦は「私の希望条件は〇〇、志望企業は〇〇」と言えるまで絞り込みを行いましょう。一旦決めた上でそれでも上手くいなかない場合は、その時初めて見直しをしましょう。

転職の希望時期を明確にする(現職の調整)

転職を始めた段階で、ある程度の転職希望時期は決まっていると思いますが、ここで具体的な希望時期を明確にする必要があります。

というのも、転職活動(実践フェーズ)を進めると、転職の希望時期を問われる事が多くなります。その時に曖昧な返答をしていると転職への熱意を疑われる事になってしまいます。

仮に希望時期がずっと先(半年以上)だったとしても、一旦は希望時期を整理しておく様にしましょう。転職エージェント等を活用する際は、希望時期が明確になっていないと、求人紹介されないケースもありますので注意です。また、実際に企業の選考が進むと、いつ転職できるのか?は当然明確に回答する必要があります。

また、転職希望時期を明確にすると現職の業務調整でするべき事も明確になってきます。現職になるべく迷惑をかけない様に一旦の希望時期を明確にして転職活動を進めましょう。この時点で転職するかどうかを現職の会社に対して無理に伝える必要はありませんが、自分の心の中で時期を明確にする事で、転職が決まってからの行動がスムーズになります。

転職活動(実践フェーズ)のペースを明確にする

上述の転職希望時期を明確にする事と関連しますが、転職活動を進めるペースを明確にしましょう。

現職があまり忙しくない状態で、有給休暇を取得しやすかったり、企業面接の時間が取りやすい環境であれば、スピード感を出して転職活動ができます。

逆に、現職が非常に忙しい状態で、有給休暇が取得しにくい状態だったり、企業面接の時間が取りにくい環境なのであれば、少しペースを落としながらの転職活動になるでしょう。

特に開発のスケジュールがタイトな場合は、なかなか時間が取りにくいかもしれません。※気持ちはよく分かります。。。

以下の様な観点で仕事&仕事以外の自分スタイルの生活も加味して、現実的なペースをしっかりと考え、スケジュールの管理をする様にしましょう。

  • 有給休暇は取得できるか?
  • 土日は活用できるか?
  • 仕事の終わる時間は何時頃になるか?
  • 月に何回くらい面接ができるのか?
  • 転職に関するメールのチェックや電話はどの位の頻度でできるのか?
  • その他の転職活動に関連する作業のためにどこで時間を捻出できるか?

転職エージェント・サイト登録後の対応

ヘッドハンティング等の話が来ない限り、転職時には、転職エージェントや転職サイトを活用するケースが一番多いと思います。
※特に最近はIT系に特化したサービスも増えてきているので、企業探しがしやすい状況でもあります。

ただ、一度転職サイトに登録すれば様々な企業からのオファーメールが舞い込み、そのメール確認だけでも日々時間が取られます。

転職エージェントを活用する場合も、有給や土日、仕事後等の時間を活用して、キャリアアドバイザーを面談をする必要もあります。

自分の希望通りの仕事をするために、大事な所ではあるのですが、なかなか忙しいです。

一度に対応できる事には限りがありますが、上述している転職活動のペースとも併せて、日々の対応内容やスケジュールを計画しておきましょう。

また転職エージェントのキャリアドバイザーと面談をする際には、事前に自分の転職活動の進め方をある程度語る必要もありますので、その準備も必要になります。

求人情報、業界情報、企業の口コミサイト等のチェック

これは、準備段階で実施しておいた方がベターなのですが、実際に応募する企業が決まらなければ、具体的な情報収集やチェックは難しいと思います。転職エージェント側から紹介を受けて、企業の情報を集める事も多いはずです。

そういう意味では、転職活動(実践フェーズ)が始まってからが本当の情報収集・チェックの始まりです。これは結構時間が取られます。

事前にどの様な媒体からどの様に情報を収集するのか?をしっかりと決めておきましょう。

そして、完璧な情報収集は無理ですから、自分が決めたペースの中で「どの位の量の情報収集ができるか?」を決めて、必要な情報に絞って整理する様にしましょう。

※既に紹介していますが、情報収集の仕方については以下の記事を改めて参考にして下さい。

■転職時の情報収集について

面接対策をする

応募する企業が決まったら、しっかりと面接対策をしておきましょう。

転職エージェントを活用する場合は、キャリアアドバイザーが面接対策をしてくれるケースも多いので、その様なサービスがあればぜひ活用しましょう。

また、転職の面接で問われる質問はある程度決まっていますので、その内容を事前に理解して答えを整理しておく様にしましょう。

転職時の面接の流れや、よく問われる質問については以下の記事を参考にして下さい。

■面接の流れについて

基準を決めて企業に応募する

実際に企業に応募したら当然選考に入ります。そうするとある程度の時間が必要になります。

既に作成している転職の軸や希望条件と照らし合わせながら、応募する企業の基準を明確に定めておき、自分が本当に行きたいと思える企業に応募する様にしましょう。
※第一志望の企業の前に、面接練習として他の企業の応募を勧める方もいますが、社会人のマナーとして、その企業に興味が持てる!という会社に絞って面接するのが良いと思います。そうでないとそもそも志望動機を語る際の熱意が伝わりません。

軸が定まらないまま選考に入ると、自分が何をしたいのかがハッキリしないまま時間と体力を消費するだけになってしまいます。

ちなみに、新卒一括エントリーの様に何十社にも同時に応募するのは失敗の原因になります。転職はペースが大事ですので、基準を決めてから応募する様にしましょう。

採用選考を受ける(平行で選考を受ける数を決める)

ここからは、書類選考、面接と選考がどんどん進んでいきます。上述している転職活動のペースも加味しながら、選考への対応をしていきましょう。

応募の前からあれこれを悩むのは良くないですが、最低限のスケジュール感と、結果が出た場合の対応方法については事前に計画立てをしておきましょう。

また、複数の企業に応募をする場合は、平行で選考を受ける数も決めておく様にしましょう。平行で選考を受けるのはどんなに多くとも5社くらいまでが良いと言われています。逆に1つ企業の選考だけを受けると他社との比較が全くできない状態にもなりますので、自分のキャパシティがパンクしない程度で平行の選考を受ける事が大切です。

内定後の対応について

自分が志望する企業の選考を通過して内定が出たら、転職先企業と条件交渉を行う事が多いです。

この時の条件交渉は主に「年収」「役職」「希望業務」になります。バタバタと選考を進み内定が出たら、今度は希望条件の交渉に入ります。本当に忙しいですね。。。

逆に言えば、この時までに自分の希望条件を明確にしておき、企業側にも伝える必要があります。どうしても希望通りにならない場合は、内定を辞退するしかありません。

その時になってから「自分の希望条件はどうすればいいんだ。。。」とならない様に、事前に希望条件を明確にしておく様にしましょう。転職エージェントを活用する場合はキャリアドバイザーにも相談をしてみるのも良いと思います。ただ、最終的には自分の意志でしっかりと決める必要があります。

また、条件交渉も合意して正式に入社が決まったら、今度は現職との退職交渉に入ります。これまた本当に忙しい。。。

現職の社内規定で退職を伝えるのは〇〇日前、とか、1ヵ月前といったルールが定められていると思います。そのルールに従い、現職の迷惑にならない様に退職交渉を進めましょう。
※法律では2週間前までとされていますが、もめ事を避けるために、できるだけ社内規定に従うのが良いと思います。

まとめ

転職活動(実践フェーズ)の具体的な行動計画の立て方について解説をしました。

文中でもお伝えしている様に以下の点については、具体的な行動計画を立てて転職活動を進めましょう。

転職活動(実践フェーズ)のおさらい

  • 転職の軸を基に希望条件・志望企業の絞り込み
  • 転職の希望時期の明確化
  • 転職活動(実践フェーズ)のペースを決める
  • 転職エージェント・サイトの対応
  • 求人情報、業界情報、企業の口コミサイト等のチェック
  • 面接対策
  • 企業への応募
  • 採用選考(平行で受ける企業の数の考慮など)
  • 内定後対応

本当にやる事がありますよね。。。転職活動でやらなければならない事を洗い出していくと、げんなりしてしまうかもしれません。。。

ただ、自分の転職の軸に沿った転職ができれば、自分の希望に沿った人生に近付ける可能性も高くなります。面倒だと言って投げ出さない様にして下さいね。

このサイトではエンジニアやクリエイターのために、可能な限りの希望通りの働き方や、自由な働き方をオススメしています。ただ、それらの働き方を実現するためには、やはり努力も必要になります。自分のペースで良いので歯を食いしばって頑張りましょう。

また、転職活動を進めていく事で視野が広がる事も実感できる様になると思います。そうすると少しずつ転職活動自体にも楽しみを見出せるはずです。できる限りで良いので楽しみながら転職活動を進めましょう。